今日20日、北海道道東の網走地方気象台で、斜里岳の初冠雪を観測しました。平年より6日遅く、昨年と比べて3日遅い初冠雪となりました。網走では昨日19日夜に平年より11日早い初雪を観測しており、今年は平地の雪より山の雪の観測の方が遅くなりました。
●14年ぶり 網走で初雪より遅い初冠雪に
北海道では上空に入った強い寒気の影響で、昨日19日夜から今日20日にかけて、続々と雪の便りが届きました。
網走でも19日夜に平年より11日早く、昨年より23日も早い初雪を観測しました。しかし、網走地方気象台から見ている斜里岳の初冠雪はまだその時点で観測されておらず、今日20日の午後になってようやく、初冠雪となりました。
網走地方気象台で、初雪よりも初冠雪が遅く観測される例は時折あり、近年では2010年が初雪が10月26日、初冠雪が10月27日の観測で、今年は14年ぶりの記録となりました。(当時は初雪の観測は目視観測)
●なぜ山の雪の観測が遅い? 初冠雪の観測方法とは
平地に比べ、標高の高い山の方が気温が低くなるため、山の方が雪になる可能性は高いものですが、なぜ平地の雪より山の雪の方が遅くなったのでしょうか。それは、初冠雪の観測方法に理由があります。
初冠雪とは、8月1日以降に「山麓の気象官署から見て、山頂付近が初めて積雪などで白く見えること」を指します。山頂で観測するのではなく、山麓から確認できて初めて初冠雪となるため、仮に山頂に雪が降って積もったとしても、山に雲がかかり、山頂の様子が麓から確認できないときは、初冠雪は観測されないのです。
今回のように、それまでにあまり強い寒気が入らず、山でも雪にならない状態が続いていた中で、一気に平地でも雪を降らせるほどの寒気が流れ込むと、山でも雪が降って積もっているのに、山頂の様子が見えない状態で、先に平地での雪(初雪)が観測されてしまうのです。
ちなみに、道北の旭川地方気象台で観測している旭岳の初冠雪も、初雪より1日遅れて観測されました。旭岳の初冠雪が旭川の初雪よりも遅く観測されるのは、過去50年の記録を見ても例がなく、非常に珍しいものとなりました。