日本気象協会は「冬用タイヤ準備前線」を発表。北海道や山間部を中心に、すでに冬用タイヤの装着が必要な所が多くなっています。この週末は、日本列島に強い寒気が到来する予想で、冬用タイヤが必要なエリアが一気に広がる予想です。早めの冬道準備をお願いします。
●「冬用タイヤ準備前線」発表 既に冬用タイヤ必要な地域多い
日本気象協会は22日(水)、ドライバーの皆さまに冬期の道路を安心・安全に運転いただくため、冬用タイヤの準備・交換時期の目安となる「冬用タイヤ準備前線」を発表しました。
2023年は残暑が厳しいうえに、11月には複数の地点で夏日を観測するなど、冬の訪れは比較的ゆっくりでした。
ただ、11月中旬の寒気の南下などの影響により、北海道や山間部を中心に、すでに冬用タイヤの装着が必要な所が多くなっています。このエリアで運転する際は、必ず冬用タイヤの装着をお願いします。
さらにこの週末は、日本列島に強い寒気が到来する予想です。北日本・東日本日本海側を中心に、雪や風が強まるおそれがあります。北陸や東北では平地を含めた広い範囲で、近畿・東海・関東では山間部を中心に冬用タイヤの装着が必要となりそうです。まだ冬用タイヤの準備をしていない方は、早めのご対応をお願いします。
12月上旬にも再び寒気が南下する予想で、このタイミングで西日本の日本海側でも冬用タイヤの装着の必要が予想されています。早めの冬道準備を心がけてください。
毎年、冬期の道路では、冬用タイヤではない「ノーマルタイヤ」のまま冬道を走行することによるスリップ事故や車両滞留が多く発生しています。
「冬用タイヤ準備前線」は、過去の統計値や気象状況から、2023年の冬用タイヤの適切な交換時期を算出したものです。冬道装備の参考にしてください。
●ノーマルタイヤの危険性 雪道では必ず「冬用タイヤ」の装着を
雪道では、タイヤチェーンや冬用タイヤを装着した車での走行が法令で義務付けられています。
ノーマルタイヤで雪道を走行すると、タイヤが低温で固くなり吸着性が失われ、路面を摩擦で捉えることができなくなります。
「滑る」「止まらない」「曲がらない」と、自動車が本来確保しなければならない動きが制御できなくなり、大きな事故につながりかねません。
雪道を時速40kmで走ったときのブレーキを踏んでからクルマが止まるまでの距離は、ノーマルタイヤは冬用タイヤの約1.7倍にもなるという走行実験結果もあります。
また、「タイヤチェーンがあれば冬用タイヤはいらない」わけではありません。タイヤチェーンを巻いたノーマルタイヤは、雪道を前に進むことはできるようになるものの、ブレーキのききが悪く危険です。
事故を起こして後悔しないよう、降雪に備えて早めに冬用タイヤを用意しましょう。
なお、新品の冬用タイヤには慣らし走行が必要です。
購入したばかりのタイヤは表面に少し硬めの薄皮が張られています。これがほぼなくなるまで摩耗(まもう)させることにより、グリップ力が向上し、本来のタイヤの性能を発揮できるようになります。
新品の冬用タイヤを購入したらすぐにタイヤ交換を行い、雪が降る前までに、距離にして100kmくらいを目安に慣らし走行をしましょう。
新品を用意する予定の方は、より早めのタイヤ交換を心がけてください。