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2023年秋 台風発生・接近数は平年並みか少ないものの接近時は勢力強くなりやすい


日本気象協会は、この先の台風の見通しを解析。2023年の秋は、台風の発生数は平年並みか少なく、台風の本土への接近数も平年並みか少ない予想です。ただし、台風の接近時は勢力が強くなりやすいため、秋にかけても引き続き台風災害に警戒してください。

●台風の発生数 秋の後半にかけて太平洋西部の対流活動が弱まる

2023年は、8月に台風6号が沖縄県を通過し九州地方に接近、その翌週には台風7号が近畿地方に上陸し、台風よる甚大な災害が発生しました。
9月以降も台風シーズンが続きます。日本気象協会は、この先の台風の見通しについて解析しました。

2023年の台風の発生数は、6月は1個、7月は3個と平年並みでしたが、8月は4個と平年より少ない状態です。(8月25日時点)
すでに台風による被害が多く発生しているため、意外に思われるかもしれませんが、8月時点では今年の台風発生数は平年より少ない傾向となっています。

この先、エルニーニョ現象などの影響で、台風が発生しやすい太平洋西部の対流活動の位置が、平年よりも南東に移動する予想です。さらに、太平洋西部の対流活動は、秋の前半は活発であるものの、秋の後半にかけては弱まる見通しです。
このため、台風の発生数は9月は平年並み、10月から11月は平年並みか少なくなる予想です。

●台風の接近数 台風から離れていても大雨警戒 秋雨前線が活発化しやすい

2023年の秋は、エルニーニョ現象の影響で、太平洋高気圧の北への張り出しが徐々に弱くなる予想で、台風の進路が平年よりも南寄りになると予想されています。このため、本土への接近数は、9月は平年並みですが、10月は平年並みか少ない予想です。


また、太平洋高気圧は、秋の前半を中心に日本の南東海上を中心に強い予想で、台風が本土へ接近する場合は、太平洋高気圧の縁を回るように西日本から接近する傾向が予想されています。
このような場合は、本州付近の広範囲に湿った空気が流れ込み、秋雨前線が活発化しやすくなります。台風から離れた地域でも大雨に警戒が必要です。

●エルニーニョ現象発生時の台風の傾向

2023年は今後冬にかけてエルニーニョ現象が続く可能性が高いと予想されています。
エルニーニョ現象が発生すると、太平洋高気圧の勢力が弱まる傾向があります。台風は、太平洋高気圧に沿って移動する傾向があるため、秋は台風が日本付近へ近づきにくくなります。

一方で、エルニーニョ現象発生時の秋は、台風の発生場所が通常よりも南東にずれる傾向があり、台風が日本へ接近する際は、海上を進む距離が通常時より長くなるため、強い勢力で接近しやすくなります。
海上は、台風のエネルギー源となる暖かく湿った空気が多いため、台風が暖かく湿った空気をとりこむ量が通常より多くなります。そのため、日本へ台風が接近する場合は、勢力が強い状態の台風になりやすいのです。

勢力の強い台風が接近すると、災害が発生する可能性も高くなりますので、引き続き台風災害への備えが必要です。

●大雨の備え 台風接近前までに

大雨が予想される場合、災害による被害を少しでも小さくしたいものです。そのために、あらかじめ備えておいていただきたいことは、次の3つです。

①避難場所や避難経路の確認をしておきましょう。いざ大雨による災害が発生すると、避難経路が通れなかったり、避難場所に行けなくなったりすることもあります。複数の避難場所や避難経路を確認しておくことが大切です。また、川や斜面の近くは通らないようにするなど、浸水や土砂災害の危険性が高い場所を避難経路に選ぶのは、避けてください。確認した避難場所や避難経路の情報は、家族で共有しておきましょう。
②非常用品の準備をしておきましょう。非常用の持ち出し品は、リュックなど両手が使えるものに入れて、すぐに持ち出せる所においてください。避難時に履く靴は、スニーカーなど、底が厚く、歩きやすい靴を用意するのが安全です。また、水道や電気など、ライフラインが止まった時に備えて、水や食料も用意してください。
③側溝などの掃除をして、水はけを良くしておきましょう。砂利や落ち葉、ゴミなどが詰まっていないかも、確認しておいてください。

いずれも、大雨になる前に、なるべく早い段階で備えるよう、心がけてください。

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