強い台風7号がもたらすのは大雨や暴風だけではありません。四国から関東はあす15日(火)にかけて高波にも警戒が必要です。また、近畿では15日未明から警報級の高潮のおそれがあります。
●海への影響は広範囲 台風から離れた関東も高波に警戒
強い台風7号は、あす15日(火)に近畿から東海に上陸するおそれがあります。
台風7号がもたらすのは大雨や暴風だけではありません。海の影響は広い範囲に及び、台風の進路にあたる東海や近畿、四国だけでなく関東もうねりを伴った高波が押し寄せるでしょう。
きょう14日(月)に予想される波の高さは、うねりを伴い
東海地方、近畿地方 8メートル
伊豆諸島 7メートル
四国地方 6メートル
関東地方 5メートル
あす15日(火)に予想される波の高さは、うねりを伴い
東海地方、近畿地方 8メートル
四国地方、伊豆諸島 6メートル
関東地方 5メートル
となっています。
●台風が離れていても 海には近づかないで
台風が近づいている時に、絶対にやってはいけないことは、海に近づくことです。海の様子を見に行ったり、サーフィンや釣りを楽しんだりすることは、高波にさらわれる恐れがありますので、とても危険です。
また、台風から離れていても、油断はできません。天気は穏やかなのに、台風から発生した「うねり」が届いて、急に高波が打ち寄せることもあります。波浪警報や波浪注意報が発表されている時には、むやみに海に近づかないでください。
●兵庫県は高潮に厳重警戒 満潮時刻の確認を
また、台風の影響で、あす15日(火)にかけては、潮位が高くなる所があるでしょう。
満潮時は海面水位が高いので、その時間帯に台風が接近する場合には特に警戒が必要です。満潮は通常、1日に2回起こり、新月と満月の時には潮位がより高くなります。16日(水)は新月で、あす15日(火)からは「大潮」の時期(満潮と干潮の潮位の差が大きい)です。
きょう14日(月)夜から、あす15日(火)明け方にかけては和歌山県で高潮の警報級の可能性が「中」の所があります。
また、あす15日(火)明け方から夜遅くにかけては、兵庫県で警報級の可能性が「高」の所があり、特に昼前から高潮や高潮と重なり合った波浪による浸水に厳重な警戒が必要です。和歌山県と京都府、愛知県、静岡県、福井県で「中」の所があります。
さらに16日(水)は兵庫県で「高」、福井県で「中」となっています。
●高潮時に危険な場所は?
台風は中心付近の気圧が低いので、水面が吸い上げられる効果と、強い風によって海水が海岸に吹き寄せられる効果が重なって、高潮が発生しやすくなります。高潮の時に危険な場所には、次の5つです。
①海岸付近の低い土地です。海抜ゼロメートル地帯などでは、海水が海岸堤防を超えると、猛烈な勢いで流れ込んできます。
②海底が遠浅の所では、強い風によって、大量の海水が海岸へ吹き寄せられるだけでなく、海水の戻りが妨げられるので、海岸へ吹き寄せる海水の量が更に増えます。
③河口部は、海からの高潮に加えて、川の増水による洪水の危険度も高まります。
④湾奥部は、狭い所に海水が集まるので、水位が上がりやすくなります。湾の長さが長いほど、強い風によって海水が吹き寄せられて、海水面が大きく上昇します。
⑤V字谷など、急に奥が狭まっている地形では、押し寄せた波が一か所に集中するので、急に波が迫ってくることもあります。
高潮の恐れがある場合は、このような所から避難して、絶対に近づかないでください。