台風15号は、23日(金:秋分の日)夜以降、西日本から東日本の太平洋側へ、かなり接近するでしょう。近畿~関東甲信は、夜の暗い時間に、雨が強まるおそれがあります。さらに前線が通過するため、台風から離れた所でも大雨になりそうです。西日本の太平洋側や東・北日本では、25日(日)にかけて、土砂災害に厳重に警戒し、低い土地の浸水、川の増水や氾濫に警戒してください。
●ダブル台風 15号が北上 各地の最接近はいつ?
23日(金:秋分の日)は、台風が次々に発生しました。9時には、室戸岬の南南東約170kmで「台風15号」が発生し、15時にはフィリピンの東で「台風16号」が発生し、南の海では、ダブル台風となっています。
このダブル台風のうち、南側の「台風16号」は、西よりに進むため、日本への直接の影響はない見込みですが、今後、警戒すべきは「台風15号」です。
「台風15号」は、四国の南を北上して、23日(金:秋分の日)夜から24日(土)にかけて、西日本から東日本の太平洋側へかなり接近する見込みです。その後、25日(日)朝までには、関東の東で、温帯低気圧に変わるでしょう。
台風が、最も接近する時間帯は、近畿では23日(金:秋分の日)夜遅くから24日(土)未明にかけて、東海では23日(金:秋分の日)夜遅くから24日(土)夕方にかけて、関東甲信では24日(土)です。
この台風の本体や、台風周辺の「暖かく湿った空気」の影響で、西日本から東日本の太平洋側を中心に、25日(日)にかけて、雷を伴って「非常に激しい雨」や「激しい雨」が降り、局地的には1時間に80ミリ以上の「猛烈な雨」が降り、大雨となりそうです。
●前線南下 台風から離れた所でも 大雨のおそれ
また、台風から離れた所でも、油断できません。
23日(金:秋分の日)夜には、日本海から北日本にかけて前線が発生し、その前線が、24日(土)にかけて、北日本から東日本を通過する予想です。
この前線に向かって、台風本体や台風周辺、および太平洋高気圧の縁を回る「暖かく湿った空気」が流れ込むことで、前線の活動が活発となるでしょう。そのため、台風から離れた北日本や東日本の日本海側でも、前線の通過するタイミングで、24日(土)にかけて、雷を伴って「激しい雨」が降り、大雨となる所がありそうです。
●予想雨量と警戒ポイントは?
24日(土)18時までの24時間に予想される雨量は、多い所で
東海地方:250ミリ
関東甲信地方:180ミリ
北海道地方:150ミリ
北陸地方:100ミリ
近畿地方:80ミリ
その後、25日(日)18時までの24時間に予想される雨量は、多い所で
関東甲信地方:50から100ミリです。
今回、特に警戒すべきポイントは「大雨による災害」です。
西日本や東日本の太平洋側を中心に、25日(日)にかけて、また北日本や東日本の日本海側では24日(土)にかけて、土砂災害に厳重に警戒し、低い土地の浸水、河川の増水や氾濫に警戒が必要です。
また、西日本から東日本の太平洋側を中心に、雷雲が発達しやすくなりますので、落雷や竜巻などの激しい突風にも、ご注意ください。
●太平洋側沿岸部は 強風・高波にも注意
さらに、台風の影響は大雨だけではありません。
西日本から東日本の太平洋側を中心に、25日(日)にかけて風が強まり、うねりを伴って波が高くなり、しける所があるでしょう。
台風が近づく所では、強風や高波にも、ご注意ください。
●大雨の備え
大雨が予想される場合、災害による被害を少しでも小さくしたいものです。そのために、あらかじめ備えておいていただきたいことは、次の3つです。
① 避難場所や避難経路の確認をしておきましょう。いざ大雨による災害が発生すると、避難経路が通れなかったり、避難場所に行けなくなったりすることもあります。複数の避難場所や避難経路を確認しておくことが大切です。また、川や斜面の近くは通らないようにするなど、浸水や土砂災害の危険性が高い場所を避難経路に選ぶのは、避けてください。確認した避難場所や避難経路の情報は、家族で共有しておきましょう。
② 非常用品の準備をしておきましょう。非常用の持ち出し品は、リュックなど両手が使えるものに入れて、すぐに持ち出せる所においてください。避難時に履く靴は、スニーカーなど、底が厚く、歩きやすい靴を用意するのが安全です。また、水道や電気など、ライフラインが止まった時に備えて、水や食料も用意してください。
③ 側溝などの掃除をして、水はけを良くしておきましょう。砂利や落ち葉、ゴミなどが詰まっていないかも、確認しておいてください。
いずれも、大雨になる前に、なるべく早い段階で備えるよう、心がけてください。