気象庁は10日、エルニーニョ監視速報を発表。エルニーニョ現象は続いているとみられます。しかし、11月の日本と世界の天候への影響は明瞭にみられませんでした。今後、春にかけてエルニーニョ現象が続く可能性が高くなっていますが、WMOは今後も同様の見解を示しています。
●11月の実況
11月のエルニーニョ監視海域の海面水温は基準値より高い値で基準値との差は+1.1度でした。エルニーニョ現象発生の判断に使用している5か月移動平均値の9月の値は+0.5度でした。太平洋赤道域の海面水温はほぼ全域で平年より高くなりました。海洋表層の水温はほぼ全域で平年より高くなりました。太平洋赤道域の日付変更線付近の対流活動は平年並みでしたが、中部の大気下層の東風(貿易風)は平年よりやや弱くなりました。 このような海洋と大気の状態は、エルニーニョ現象が続いていることを示します。
●今後の見通し
海洋表層の暖水は、東部の海面水温が平年より高い状態を維持するように働いており、今後もそのような状況が続くと考えられます。エルニーニョ予測モデルは、今後春にかけてエルニーニョ監視海域の海面水温が基準値より高い値で推移すると予測しています。以上のことから、春にかけてエルニーニョ現象が続く可能性が高いとなっています(80%)。
●西太平洋熱帯域及びインド洋熱帯域の状況
西太平洋熱帯域:11月の西太平洋熱帯域の海面水温は、基準値より低い値でした。今後春にかけては基準値より低い値で推移すると予測されます)。
インド洋熱帯域:11月のインド洋熱帯域の海面水温は、基準値に近い値でした。今後春にかけては基準値より高い値か基準値に近い値で推移すると予測されます。
