気象台は20日、霧島山のえびの高原・硫黄山の噴火警戒レベルを1(活火山であることに留意)から2(火口周辺規制)に引上げました。
●火山活動の状況及び予報警報事項
硫黄山では、昨日(19日)からごく微小な地震を含む火山性地震が増加しています。昨日は17回、本日(20日)11時まで18回発生しています。15日以降、浅い所を震源とする低周波地震が時々発生しています。硫黄山西麓の湧水では、2017年11月以降、高温の火山ガスに由来する成分の顕著な増加が観測されています。
GNSS連続観測では、2017年7月頃から霧島山を挟む基線の伸びが継続しています。このことから、霧島山の深い場所でマグマの蓄積が続いていると考えられます。
えびの高原(硫黄山)周辺では、活発な噴気活動や熱異常域の拡大及び温度の高まりが認められるなど、火山活動が高まっており、小規模な噴火が発生するおそれがあります。気象台はえびの高原の硫黄山から概ね1kmの範囲では、小規模な噴火に警戒するよう呼びかけています。
宮崎県えびの市や 鹿児島県霧島市では、火口周辺で警戒が必要です。
●防災上の警戒事項等
えびの高原の硫黄山から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石に警戒してください。風下側では、降灰及び風の影響を受ける小さな噴石(火山れき)に注意してください。
●噴火警戒レベルの説明
【レベル5(避難)】:危険な居住地域からの避難等が必要。
【レベル4(避難準備)】:警戒が必要な居住地域での避難の準備、要配慮者の避難等が必要。
【レベル3(入山規制)】:登山禁止や入山規制等危険な地域への立入規制等。状況に応じて要配慮者の避難準備等。
【レベル2(火口周辺規制)】:火口周辺への立入規制等。
【レベル1(活火山であることに留意)】:状況に応じて火口内への立入規制等。