年が明けた1月某日、冬季の日本海とは思えないような静かな海となったこの日、小樽港から久々に出港し、船釣りを楽しんできました。
●久々の凪(なぎ)
日直予報士を御覧の皆様。今年も北海道の釣りと天気を交えた楽しいお話を提供できるよう、がんばりますので、本年もどうぞ宜しくお願い致します。
さて、昨年末の北海道は短い周期で気圧の谷が通過した後は冬型の気圧配置が形成されるなど、なかなか好天に恵まれなかった日本海。ただ、この日は気圧の傾きがやや緩み、陸地からの風となる東よりの風が卓越したため、札幌近郊の石狩湾は静かな凪(なぎ)となりました。
このチャンスに小樽港から船で出港し、後志管内・余市町の沖合に向かいました。メインのターゲットはこの時期、水深50mの海底付近に生息するソイ類などの「根魚」や、ホッケなどを交えた「五目釣り」です。
出港後30分ほどで現場に到着。早速仕掛けを落とします。すると、入れ食いとまではいきませんが、飽きが来ない程度に魚が顔を見せてくれました。
●ソイの仲間はどれも美味しい
ソイと呼ばれる仲間は、メバル科に属します。本州方面の海域にもメバルやカサゴ、クロソイやムラソイなどメバル科の仲間が多数生息していますが、北海道の周辺にも多くの種類が生息しているようです。今日はその中で3種類の「ソイ」が釣れました。
写真の一番上の魚は北海道では「マゾイ」と呼ばれるキツネメバルです。北海道の船釣りでは重要なターゲットで、煮付けや刺身など、大変おいしい魚です。
真ん中はシマゾイ。全体的に黄色っぽい体色をしており、黒い縞模様が特徴です。こちらも透き通った身が美味しい魚です。
一番下はエゾメバル。北海道ではよく「ガヤ」と呼ばれています。諸説ありますが、先人からは昔は「ガヤガヤ」とうるさいほどいて、たくさん釣れたためとよく言われました。最近ではそれほど大量に見かけることはないと思うのですが、夏から秋に岩場や防波堤、岸壁の下などを覗くと小型のガヤの群れを見かけることはあります。身はマゾイやシマゾイと比べて多少赤みを帯びていますが、淡白でくせのない味が喜ばれます。
写真撮影に没頭していると、グイグイと引っ張る大きな当たりがありました。
●結果は?
今回は電動リールを装備していましたが、せっかのく大きなあたりなので、魚とのやりとりを楽しむために今回は手巻きでゆっくりとリールを巻きました。するとシマゾイの3本掛けに成功!最大のは40cmありました。こんなことは滅多にありませんが、大きな群れが魚探で見えた時には、最初の「あたり」は我慢して、リールをひと巻してから次の魚がかかる「追い食い」を待ちます。運が良ければ一度に複数の魚をかけることができます。
約5時間余りの釣行で、最終的にはソイ類が20匹ちょっと。おまけに49cmのホッケが釣れました。
昨年末に御紹介した際には釣れなかったホッケが釣れたのは大変うれしく、結果的には満足できる釣行となりました。
船のソイ釣りは、日本海側なら北の留萌沖から積丹方面及び道南海域、太平洋側なら噴火湾から日高方面、釧路沖などで当面楽しめるようです。しかし、厳寒期の北海道。それも海の上ではさすがに寒さが身にしみます。ある意味寒さとの闘いにもなりますが、充分な防寒対策の上、このソイ釣りを楽しんで頂ければと思います。
●この先10日間でオススメの日
この先の北海道は、しばらくは冬型の気圧配置が長続きせず、短い周期で気圧の谷が通過する見込みです。21日の土曜日は本州南岸を低気圧が発達しながら通過する影響で、北海道でも太平洋側の海域で波の高くなる可能性があります。また、22日の日曜日は北海道付近の気圧の傾きが一旦緩みますが、夜から23日月曜日にかけては低気圧が発達しながら北海道付近を通過するため、全般に波が高くなりそうです。週末はチャンスがありそうですが、これらの低気圧の動きや進路によっては予報が大きく変わる可能性がありますので、最新の情報で確認して下さい。