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【現場発】野球も宝塚もスイーツも 球界一欲張りな評論家は? 


【写真】野球や宝塚、スイーツなどいろんな楽しみを書き込んだ新著を手にする野球評論家の福本豊さん

<ニッカンスポーツ・コム/プロ野球番記者コラム>

「稽古」という言葉がさらりと出てくる野球人がいる。元阪急ブレーブス(現オリックス)の福本豊さん(78=野球評論家)だ。

現役時代に通算1065盗塁を残し「世界の盗塁王」としてその名を知られたスーパースター。引退後もオリックスや阪神などでコーチを務め、今は評論活動やテレビ、ラジオの解説などで人気のプロ野球の顔だ。だが、甲子園で福本さんと顔を合わせると「練習」ではなく「お稽古」の話になる。球界の後輩の選手たちではなく、すみれの園にすむタカラジェンヌの話題になる。

夫人の影響で、福本さんも宝塚歌劇を鑑賞するようになって二十数年。兵庫・宝塚市の宝塚大劇場で、偶然ご一緒したことも。おしゃれな女性客に囲まれた席から舞台を見守る視線は、やっぱり「世界の福本」ならではの鋭さ。ただ、鋭い眼光には理由がある。「同じ舞台を何度も見る。どんどんうまくなっていくのが、わかります。ああ、しっかり稽古したんやなあ、頑張ったんやなあ、と舞台に上がるまでの努力を思うと、胸が熱くなります」。球場やグラウンドの内外で幾多の選手の練習を見守ってきた目だけに、稽古の成果を見逃さない。「初日から公演を重ねるたびに、タカラジェンヌたちは変わっていく。そこが観劇の醍醐(だいご)味やね」とかみしめるように語る。野球も舞台も、努力はうそをつかない。

夫人と肩を並べてタカラジェンヌの日々の努力を見守る生活は、福本さん自身の生活にも彩りになっている。本職の野球以外に舞台を鑑賞し、愛犬と町を歩き、スイーツを楽しみ、大相撲の熱戦に声援を送る。そんな毎日をつづったエッセー「79歳 ごきげんな生活 やっぱり野球がええなあ」が新著として、今月6日に発売になる。毎日のいろんなところにうれしいこと、楽しいことは潜んでいる、と気付かされる。

現在、宝塚大劇場では花組公演「エリザベート-愛と死の輪舞(ロンド)-」の公演中。歌劇団の数ある作品の中でも、どんな苦労をしてでもこの舞台をよいものにしたいと生徒の士気と技量をあげることで知られる大作だ。11人目のトートを演じた花組トップスター、永久輝せあの歌唱に聞きほれ、この人ならではの黄泉(よみ)の帝王に心をもっていかれた。「そうか…。まだ見られてないんやけど」と遠い目になった福本さん。また野球シーズンが始まれば、甲子園でゆっくりと歴代のトートについて、話をしてみたい。【堀まどか】

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