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【谷繁元信】日本Sは情報戦も注目 鷹の分析は球界一 DeNA「えっ」と思わせる工夫できるか


【イラスト】日本シリーズの日程

ソフトバンクとDeNAの日本シリーズは、水面下での「情報戦」にも注目している。ソフトバンクのデータをもとにした相手分析などの準備力は球界トップで、一方、DeNAもアナリストらを活用した近代のデータ野球に力を注いでいる。

日本球界にもトラジェクトアーク(最新鋭のバーチャル投球再現打撃マシン)の導入が進んで、投手のボール回転数や角度などを入力し、各投手の球種、球質はリアルに体感できるようになった。その最新機器が充実しているのがソフトバンクで、DeNAの投手陣を研究し丸裸にしてくるはずだ。交流戦や短期決戦に強い背景には、こうした対応力がすぐれている一面がある。

DeNAはCSファイナルステージの阪神戦では、シーズン中とは違う速球主体の配球が随所で光った。阪神が研究、対策してくるデータを逆手にとったのだと思うが、CSファーストステージの巨人戦から日替わりで捕手を起用したところにも、短期決戦対策の工夫を感じた。

巨人1戦目が古市、2戦目が戸柱。阪神1戦目は松尾、2戦目は松尾、3戦目は戸柱、4戦目は古市を先発起用した。この6試合で投手陣の失点は7。阪神戦4戦目が5失点だったので、5試合でわずか2失点だった。松尾が2試合連続完封に貢献したにもかかわらず、3戦目は戸柱を先発で使っている。

この策は、捕手の傾向やクセが研究されている前提の上で、アナリスト、首脳陣が練った短期決戦用の戦術だと思っている。

日本シリーズはこうした情報戦で、駆け引きが生まれ、策を練ってくると思われるが、ソフトバンクの強さは、準備力に加え、試合の中で例えば相手が裏をかいてきた作戦をとった場合や奇策にも、アジャストできる勝負勘や感性を持ち合わせている選手が多くいる。

DeNAは功を奏した捕手陣の日替わりの併用制は続けると思うが、ソフトバンクを崩すにはさらに捕手陣のちょっとした配球の変化が必要になると思う。DeNAの捕手陣が相手に「えっ」と思わせる工夫ができるかどうか。推進している近代のデータ野球が、王者・ソフトバンクにどこまで通用するのか。競り合った展開に持ち込めれば、DeNAは2024年以来の下克上も可能性はあると思うが、ソフトバンクの周東、近藤、柳田らに好きなようにやられたら、一方的な展開になる可能性もある。

ワールドシリーズ3連覇を狙ったドジャースが敗れたのは記憶に新しい。試合は何が起こるか分からない。野球は、特に短期決戦は強いチームが勝つとは限らない。勝ったチームが強い。(日刊スポーツ評論家)

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