
日本代表(FIFAランキング17位)のGK鈴木彩艶(24=アストンビラ)が15年ぶりのPK勝利に導いた。エクアドル(同25位)戦で90分を0-0で終え、即突入したPK戦で相手の3人目を止めた。22年W杯カタール大会の決勝トーナメント1回戦クロアチア戦以来のPK戦で、勝利は11年アジア杯準決勝韓国戦以来。世界最高峰の英プレミアリーグで戦う守護神が、キックとセーブで勝利に貢献した。5日の決勝でニュージーランド(同86位)とMUFG国立で対戦する。
◇ ◇ ◇
歓喜の中心に、ザイオンがいた。GK鈴木彩が、日本を決勝に導いた。身長190センチ。両手を広げて、相手を威嚇した。左、左、左。同じ方向に飛び続ける。ついに3人目を捕まえた。低い球を両手ではじき、右手でかき出す。右手でガッツポーズ。短くほえた。5人目のFW前田まで日本は全員が決め、イレブンから祝福を浴びた。11年以来のPK勝利に導き、守護神は「このスタジアムを味方につけた。皆さんが本当に後押ししてくれた。チームメートがしっかり全部決めて、勝ち切れて良かった」と6万5000人超の観客と、仲間に感謝。世界トップレベルでも、謙虚だった。
90分通じて、世界基準を示した。脇腹痛から復帰し、W杯北中米大会後では代表初先発。最後方から、攻撃のタクトを振るった。前半23分。自陣から、MF久保に鋭いパス。中央を切り裂き、MF中村のシュートまでつなげた。途中出場した前戦のベネズエラ戦でも披露した低い弾道のキックで好機を演出。後半は、最前線のFW上田へロングパスを供給。短、中、長。どの距離のパスでも魅せた。
ジュニア時代から、キック力はずぬけていた。小学生サイズのコートで、キックオフで何度もシュートを狙った。40メートルは余裕で飛ばした。中学からは「ミドルパス」の練習を繰り返した。ただ蹴るだけではなく、コントロールを意識した。今夏、セリエAのパルマから移籍。小さい頃から口にしていた「プレミアに行く」の夢をかなえ、日本人GKで初めて欧州チャンピオンズリーグにも立った。先月はチームの月間MVPを獲得。中距離のキックは、英国でも、世界でも注目を浴びるほどになった。
この日はもちろん、セーブも安定。無失点に封じ込め、決勝に駒を進めた。「この大会は優勝を掲げている。今日は厳しい戦いだったが、しっかりと勝ち切れて次を迎えられる。国立でしっかり勝って、タイトルを取りたい」。守護神が頂点に導く。【飯岡大暉】
