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【福島良一MLBコラム】ドジャース無冠も黄金時代を築くチームにタイトル獲得者は少ないもの


【写真】ジャイアンツ戦に出場したドジャース大谷(AP)

メジャーリーグは、レギュラーシーズンの全日程が終了しました。ドジャース大谷翔平投手は開幕から投打二刀流で活躍し、チームの地区優勝に大きく貢献。しかし、後半戦にけがの影響もあり、主要打撃3部門は無冠に終わりました。でも、あまり優勝チームからタイトルホルダーは出ないものです。

ドジャースは直近14年間で13度目の地区優勝を飾りましたが、その間にナ・リーグの主要打撃3部門でタイトルを獲得したのは3人しかいません。2014年打点王のエイドリアン・ゴンザレス、21年首位打者のトレー・ターナー(フィリーズ)、24年本塁打、打点と2冠王の大谷。つまり、大谷以外はたったの2人だけです。

それは必ずしもドジャースに限ったことではありません。1991年から米プロスポーツ史上最長の14年連続地区優勝したブレーブスも、その間に91年テリー・ペンドルトンが首位打者、05年アンドリュー・ジョーンズ(元楽天)がホームランと打点の2冠王に輝いただけです。

さらに言うと、95年から13年連続プレーオフ出場、そのうち10度の地区優勝、6度のリーグ優勝、4度の世界一に輝いたヤンキースは98年バーニー・ウィリアムズが首位打者、05年に「A・ロッド」ことアレックス・ロドリゲスが本塁打王、07年に同じくA・ロッドがホームラン、打点の2冠王を獲得しただけです。

また、個人タイトルだけでなくMVP受賞者を見ても、ブレーブス黄金時代は91年ペンドルトンと99年チッパー・ジョーンズの2人だけ。ヤンキースも05、07年のA・ロッドだけ。ドジャースも14年クレイトン・カーショー、19年コディ・ベリンジャー(現ヤンキース)の2人と、24、25年の大谷と合わせても3人しかいません。

これらのチームはスター選手が多く、毎年タイトルホルダーが出ても不思議ではありません。その中で最も象徴的だったのはヤンキースで、第11代キャプテンのデレク・ジーターが自己を犠牲にし、チームの勝利を第一に考えてプレー。それがチーム全体に浸透し、当時の松井秀喜外野手ら各選手の役割分担がうまくできていました。

それと同じように、現在のドジャースも大谷はじめ選手全員が個人の成績や記録より、チームが勝つために全力でプレー。また、大谷の力だけに決して頼ることなく、全員がカバーして勝つことを目指します。だから意外とタイトルホルダーが少なく、それこそが常勝軍団にとって強さの秘訣(ひけつ)と言えます。

ちなみに、今年ガーディアンズは3割打者や20本塁打以上打ったバッター、さらには75打点以上挙げた選手、40盗塁以上した選手が1人もいませんでした。また、メジャー30球団で最低の年俸総額にもかかわらず、3年連続19度目のプレーオフ出場を決めました。

それに対し、ドジャースは最高の年俸総額を誇るスター軍団ですが、それでいて大谷はじめ、自己犠牲をいとわない選手がそろっているのが最大の強み。こういうチームは大事な短期決戦になればなるほど強さを発揮するので、3年連続世界一を懸けたポストシーズンの熱き戦いが楽しみです。【大リーグ研究家・福島良一】(ニッカンスポーツ・コム/MLBコラム「福島良一の大リーグIt's showtime!」)

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