
<オリックス-ソフトバンク>◇17日◇京セラドーム大阪
ソフトバンクリーグ3連覇の打の主役は、栗原陵矢内野手(30)だ。プロ12年目でキャリアハイ、リーグトップの37本塁打&111打点。堂々と4番を務め上げ、強力打線を引っ張った。
シーズン最多は21年の21本塁打だった。昨季は右脇腹を痛めるなど80試合しか出場できず、オフには腰のヘルニア手術を受けた。故障撲滅へ、昨季まで球団に所属していた庄嶋大一郎トレーナー(31)と個人契約を結んだ。「故障しないように、シーズン中のパフォーマンスが落ちないように」。信頼できるトレーナーの指導のもと、故障に強い戦闘ボディーをつくった。
オープン戦は不振だったが「踏み込み足をちょっと強く」して、右足に重心をかけて回ることで力強い打球や本塁打が増えた。5月以降は4番に定着。昨季までは試合後に近藤健介外野手(33)と打撃練習していたが、今年は一人立ちして、黙々と振り込んできた。
不振時はヒントを探し求めた。早出特打を相手ベンチから見ていた日本ハム・レイエスのもとに行き、打撃論を交わしたこともあった。昨季は様々なタイプのバットを試したが今年は変えなかった。84センチ、880グラム。くり抜いていた先端も埋めた。打撃が固まった。
今季から選手会長も務めるが、人前に出て話すのは大の苦手。小さいころは走るのが速くて1位になっても表彰式で、みんなの前で話すのが嫌だった。控えめな性格はプロでも変わらないが、今春キャンプは意を決してナイン代表であいさつ。ヒーローのお立ち台には10回上がった。慎重な性格でリップサービスできないが、自分の言葉で思いを伝えようと“変身中”だ。 遠征先で後輩を食事に誘うことも増え、先輩たちをもてなすこともあった。野球以外でも気付けば助言をくれる近藤や、仲良しだが黙って見守ってくれる1学年上の周東佑京外野手(30)が、支えてくれている。
福井在住の母ルミさんも成長を感じている。「今年はいろいろなことがあって大変だったと思いますが、頑張ってここまでこられた」。画面越しに伝わる凜とした立ち居振る舞いを見るのことも楽しみになった。栗原は「4番ではなく4番目に打っているだけ」と謙遜するが、真に受ける者はいない。「カンパーイ!」。選手会長として威風堂々、ビールかけの音頭を取った。【石橋隆雄】
