
日本プロ野球史に名を残す「安打製造機」の異名で、東映、巨人、ロッテで外野手として活躍した野球解説者の張本勲さんが9日午前、亡くなった。86歳だった。プロ野球歴代1位の通算3085安打を放ち、首位打者7回など数多くのタイトルを獲得した。
広島市出身の張本さんは、5歳の時、広島で被爆。姉を亡くした。戦後80年の昨夏、TBS系テレビ「サンデーモーニング」にスペシャルご意見番として出演した際には、節目に当たって思いを語っていた。
「私のようにね、身内を亡くした人はたくさんいますよ。私も大事な姉をね、全身ケロイドでわからないような(姿で)ね。私も幼かったからね、何もかも覚えてるわけじゃないけども、3つ4つ絶対忘れないことが80年たっても100年たってもある」と話した。
また「あなたの両親が、あなたの兄弟が、あなたの娘がそうなっても、あなたはまだ戦争をしますか? 続けるなら人間の所業じゃない。言うことを聞かないから爆弾で殺りくを犯す、これだけはやめなきゃいけない。話し合いでいいんですよ。知恵があるんですから。大事なことは、お互いに引くということ。民族とか宗教とか領土とか、いろんな問題はあるんだろうけども、(例えば)AとBを争うなら、両方にとって大事なことは引くところは引く。こういうことをやればね、国民は納得するから。戦争だけは今でもやっちゃいけないと思いますよ」と訴えた。
膳場貴子アナウンサーが「核兵器を容認するような空気が一部で出てきていますけども…」と問いかけると、張本さんは「その人に問いたい。先のようなことにあなたの親族がなっても、あなたは(核兵器を)承諾するのかと問いたいですよ」と締めくくっていた。
◆張本勲(はりもと・いさお)1940年6月19日生まれ。広島市出身。浪商(現大体大浪商)から59年に東映入団。同年、新人王。62年、水原茂監督のもと日本一、MVP。76年にトレードで巨人に移籍。80年にロッテへ移り、翌年81年引退した。実働23年で2752試合、プロ野球歴代1位の3085安打、504本塁打、1676打点、通算打率・319、319盗塁。歴代最多の首位打者7回、最高出塁率9回。ベストナイン選出16回、オールスター出場18回。引退後は野球解説者、「サンデーモーニング」(TBS系)など出演。90年に野球殿堂入り。左投げ左打ち。現役時代は181センチ、85キロ。
