
<ソフトバンク5-2楽天>◇2日◇みずほペイペイドーム
「恐怖の9番」で首位固めだ。ソフトバンクが3連勝で5カード連続の勝ち越しを決めた。0-0の2回1死一、二塁で牧原大成内野手(32)が先制&決勝の中前適時打。得点圏打率3割超えの勝負強さを発揮して白星を呼び込んだ。5~7月の打率も3割7厘の高打率で貢献。育成出身、プロ15年目の男が下位から打線を支えて、チームは今季最多の貯金「22」に達した。
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修正力が光った。2回1死一、二塁。9番牧原大はヤフーレの初球ストレートにスイングを仕掛けたが「ちょっと強引に振りにいったんで、これじゃダメだと思った」と意識をセンターに向けた。カウント1-1から外角ストレートを中前へ。コンパクトなスイングで「今日はある程度方向を決めて打ちました」と狙い通りの快音だった。
二塁走者の野村が生還し、この先制打が決勝点になった。得点圏では66打数23安打で打率3割4分8厘。「今年はチャンスで回ってくることが多いので、なんとか、かえせるようにという意識でやってます」。今季は出場78試合中、約半分の37試合が9番での出場。得点圏に強い「恐怖の9番」がチームを3連勝に導き、お立ち台で無数のフラッシュライトを浴びた。
5~7月は3カ月で打率3割7厘を記録した。上位につなげる役割を全うし、チームの首位浮上の原動力になった。「9番は年間指定席を買ってるんで」。冗談を飛ばしながら好調の要因を語った。「後ろには(1番の周東)佑京といういいバッターがいる。自分が打てなくても後がなんとかしてくれる。気持ち的に楽なので。そこが自分の今のバッティングにいい感じにつながっているのかなと思います」。二塁守備でも連日の好プレー。今季のV字回復の起点になった5月2日のサヨナラ勝利は、牧原大の適時打が川瀬の劇的打につながった。育成出身でプロ15年目。ベテランの域に入っても「打席で後悔しないため」にアーリーワークを欠かさない。牧原大は小久保ホークスを支え続けている。
2位の日本ハムも勝利し、1ゲーム差のまま。貯金は今季最多を更新する「22」。5カード連続の勝ち越しで首位の座をがっちり守った。連覇を目指す王者には頼もしい9番がいる。【只松憲】