
<阪神3-6広島>◇7月31日◇甲子園
阪神中野拓夢内野手(29)が、俊足を生かして、新人の21年から5年連続となるシーズン100安打に達した。5回1死。正面に打ち返した。打球は投手強襲となり、マウンドの後方へ。すぐに送球されたが、ボールが届く前に、一塁ベース上を駆け抜けた。虎の2番打者が、10試合ぶりで後半戦初のマルチ安打。10日ぶりに敗れたチームの明るい材料となった。
3回は長打で反撃の流れをつくった。近本の中前打で1死一塁。129キロ変化球を捉えた。左翼への飛球。打球が風の影響を受けたこともあり、左翼を守るファビアンが捕球できず、フェンス際の左翼線付近に落ちた。「つなげば得点できるチャンスもより増える。そういう打撃が最近できていない。自分がつなげば得点も増えてくると思うので、しっかり頑張りたい」。一気に二塁に到達。二、三塁とし、続く森下の犠飛で一時1点差まで迫った。
今季、阪神では近本、佐藤輝がすでに100安打を突破している。20年ドラフト同期の佐藤輝と2人そろって、5年連続のシーズン100安打到達。23年にプロ野球史上初の「新人年から3年連続3桁安打の同一球団コンビ」となっており、もちろん5年連続も初だ。支配下指名の8人中7人が現在1軍にいる“黄金ドラフト”。その中の、ルーキーイヤーから猛虎打線を支え続ける2人が、歴史を塗り替え続けている。
今季95試合目での100安打。昨季よりも18試合早く到達した。選手会長2年目の中野。昨年は打率2割3分2厘で苦しみ、リーグ連覇を逃したが、今年はリーグ3位2割8分7厘で、チームも首位を走る。「勝てる打撃をするだけ」。まとめる立場の男にとって、勝利が最優先だ。
チームは次戦から本拠地甲子園を離れる。「ロードだからと意識せず、1試合1試合やるべきことをやれば、おのずといい方向にいく。チーム一丸となって頑張りたい」。2年ぶりのリーグ優勝へ、選手会長が躍動を続ける。【塚本光】
▼阪神中野が2安打を放ち、今季通算100安打とし、新人から5年連続3桁安打とした。中野は20年ドラフトで入団し佐藤輝と同期。佐藤輝は今季すでに100安打をクリアしており、新人の21年から2人そろって5年連続3桁安打となった。2人は23年にプロ野球初の「同一球団でプロ1年目からそろって3年連続100安打以上」という記録を達成しており、その記録を伸ばした。