
<パドレス5-0メッツ>◇30日(日本時間31日)◇ペトコパーク
パドレスのダルビッシュ有投手(38)が、日米通算204勝をマークし、日本人選手で単独トップに立った。先発で7回を投げ、2安打無失点。無四球、7奪三振の快投で今季初勝利を挙げ、節目を飾った。
この日は球団の編成アドバイザーでもある野茂英雄氏にも背中を押され、サイドスロー気味に腕を下げたことが、好結果につながった。試合後、ダルビッシュは好投の要因について「リリースポイント一気に下げて、自分ではサイドスローに近いような感じで投げたことで、すごく今日ははまった感じ」と明かした。
思い切った修正を後押ししたのが野茂氏だった。ダルビッシュは前日、クラブハウスで同氏にフォームに関する相談をしたという。
「サイドスローっぽくしようと思ってて、不安はあったので、野茂さんに1回ビデオ見せて、『どう思いますか』って言ったら、『ええやん』って言ってくれたんで。そっからこう、野茂さんが言ってるならいける、と。結構やっぱり正直にいつも言ってくださるので、悪いとこは悪いって言ってくれますし、そういう中でビデオ見て『いい』って言ってくださったんで。そういうとこも含めて、やっぱり細かいところ、スプリントレーニングもそうですし、たくさんアドバイスを頂けるので、本当に感謝してます」
試合では、各球種を有効に使い、メッツ打線を翻弄(ほんろう)した。最速95マイル(約153キロ)のフォーシームと、スローカーブの最大球速差は24・1マイル(約39キロ)。中盤にかけては、各打者が迷うようなスイングで嫌がるようなしぐさを見せ、次々に凡退した。
今季は右肘の炎症で出遅れ、7月7日のダイヤモンドバックス戦で復帰。ここまで4試合は結果が出なかったが、5試合目で今季初勝利をマークした。野茂氏が背中を押してくれたことも支えとなり、この日の好投につながった。