＜阪神5－0広島＞◇30日◇甲子園
阪神佐藤輝明内野手（26）が走攻守の活躍で勝利に一役買った。まずは打撃だ。「0－0」の4回先頭。先発大瀬良の浮いた127キロチェンジアップを初球から片手で右前に運んだ。
「よかったんじゃないですか。しっかりいい準備ができていると思います」
その後は三塁まで進塁。2死三塁の走者として暴投の間に、一気に先制のホームを踏んだ。6回1死一、三塁からは一塁走者として二盗。6月20日ソフトバンク戦（甲子園）以来、今季9個目の盗塁を決めた。序盤からグラウンドを駆け回り、足でも魅せた。
打って走って、三塁守備も光った。5回1死の守備では広島羽月の打球が三塁ライン際へ。弱いゴロで見送ればファウルにもなりそうだった当たりを、チャージをかけて捕球。そのままランニングスローで一塁送球し、アウトを奪った。
昨季は両リーグワーストの23失策。今季は外野での出場も挟んだ中で、いまだ失策は4つのみ。適時失策はゼロだ。最終回にも林の痛烈なゴロを、体勢を崩しながら捕球。ゆったりとしたステップで一塁送球した。「しっかり守りもいい感じで続いているので。この状態を続けていきたいですね」。この日は計4度飛んだ三ゴロを難なく処理。失策王となった昨季の姿はもう見られない。
両リーグトップ26発＆65打点の打力だけではないところを見せつけた一戦。優勝マジック39も点灯した。歓喜の瞬間までチームの核となり、けん引し続ける。【波部俊之介】
