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【高校野球】仙台育英の須江監督「命に代えてでも甲子園に」ナインに熱き思い 28日決勝/宮城


5月21日、須江監督の話を聞く仙台育英ナイン

王者復活か-。第107回全国高校野球選手権宮城大会の決勝が28日、楽天モバイルパーク宮城で行われる。2年ぶりの頂点を狙う仙台育英は、昨夏遠かった「あと1勝」をつかむため、須江航監督(42)がナインにメッセージを送った。

   ◇   ◇   ◇

須江監督は“手紙”に選手たちへの思いを込めた。「命に代えてでも甲子園に連れて行きたい」。昨秋と今春は県の頂点に立ち、春は東北王者にも輝いた。だが、夏は全くの別物だ。

今でもあの敗戦が脳裏をよぎる。あと1勝が遠かった昨夏。決勝の相手は同春準決勝で13-2で5回コールド勝ちしていた聖和学園だった。圧倒した春とは打って変わり、夏は5-8で敗れた。許した19安打のうち、内野安打は7本。試合の中でうまくいかないことも多かった。指導者生活19年の須江監督も「NO・1」と口にするほど、歯車がかみ合わなかった。

「正しい準備をして慢心や油断もなく迎えたのに、あのような結果になってしまったのが大変苦しかったです。振り返ってみても『隙があったな』とか『ああいう取り組みでは負けて当然だな』とか、洗い出しても全然なくて。1年間、一生懸命練習して、練習試合も公式戦もやってきましたが、最も悪い日があの日になりました。劣勢な展開も予想していましたけど、ここまで歯車がかみ合い続けないことがあるんだなと。そこに聖和学園さんの準備、用意周到な攻撃があったので」

改めて夏の難しさを痛感した一戦だった。今年で監督就任8年目。22年には東北勢初となる夏の甲子園優勝を成し遂げた。翌23年にも2年連続で決勝進出し、準優勝。だが、現在は3季連続で甲子園出場を逃し、聖地の土を踏んだ選手はいない。まだ見ぬ景色を求めすぎるゆえに、指揮官は不安な思いも拭えない。

「これまで見てきた中で、最も甲子園に行きたい思いが強いチームです。大げさではなく、最も練習してきましたし、最も取り組みが良いです。甲子園優勝や準優勝したチームも素晴らしかったですが、それを超えていくような取り組みや、努力もあります。だからこそ、彼らも『人生の全てを懸けて甲子園に行きたい』という思いがあるわけです。でも、それが前のめりになってしまっていて」

結果としては決勝まで上り詰めた。だが、須江監督は「正直なところ本来持っている力は出せていない。まだまだこんなもんじゃないです」と言い切る。数字にも表れている。打線は、今春宮城大会4試合で40安打32得点も、この夏はここまでの4試合で29安打21得点。勝敗が全て、負けたら終わりの夏に、ナインの力はまだ出し切れていないと映る。

「『勝ちたい』とか『甲子園に行きたい』という気持ちを全部、監督に預けてもらって、あとは自分たちが目の前のことに集中して野球本来を楽しむ。大舞台で野球ができる喜びを感じる。仲間との日々に感謝する。ただ、それだけに集中してくれたら、気づいたときには勝利が待っていて、きっと甲子園の扉も開いていると思います」

「あと1勝」の難しさを痛感して、涙を流すナインに「人生は敗者復活戦」と伝えてから1年。今こそ、仙台育英が夏王者に返り咲くときだ。決して力だけではない。野球と向き合うナインの姿勢を見てきたからこそ、須江監督は勝利を信じている。【木村有優】

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