
<高校野球北北海道大会:旭川志峯2-1帯広大谷>◇21日◇準決勝◇エスコンフィールド
旭川志峯が3年ぶり夏甲子園に王手をかけた。3番を打つ億貞壮汰内野手(2年)が8回2死三塁で決勝の適時内野安打を放った。
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旭川志峯が億貞の執念で決勝点をもぎ取った。前の打者が同点打を放って迎えた8回2死三塁。「もう1点追加して、ここで勝とうっていう意識だった」。初球、バットを振り抜くと、打球は一、二塁間へ。飛びつく一塁手に好捕されるも、ヘッドスライディングで間一髪のセーフ。適時内野安打で勝ち越しに成功した。
この回の攻撃前、山本博幸監督(45)から「気合と根性」の言葉で鼓舞された。指揮官は「ここからのベスト4を勝ちきるのは気合と根性。何を打つとか、どう守るとかではない」と戦前から口にしていた。億貞は「ここでやるぞって気持ちになる」。日頃の練習の成果を発揮させる魔法の言葉に奮起した。
昨夏は準決勝で白樺学園に2-12の7回コールドで敗れた。1年生ながら5番として2安打1打点も、「ただがむしゃらにやっていた」。試合を読み、チームを鼓舞する余裕はなかった。1年が経ち「プレッシャーはすごいある」と自覚が芽生えたいま、決勝での再戦に燃える。
23年から変更された現校名として初の甲子園出場を目指す。北日本学院、旭川大高時代を合わせて北北海道大会決勝は11度進出し、10度優勝。「勝てるようにやっていきたい」と、大一番を見据えた。【保坂果那】