
<高校野球大阪大会:履正社6-0香里丘>◇21日◇4回戦◇GOSANDO南港球場
2年ぶりの甲子園出場を目指す履正社が、ベスト16入りを果たした。
2番手で登板し、2回を3奪三振無失点に抑えたエース江藤幸大投手(3年)は特別な思いでマウンドに立っていた。
昨夏、江藤の父雄(つよし)さんが大動脈解離により、40歳の若さで他界。元球児で野球が大好きだった雄さんの影響で、江藤は小学1年から野球を始めた。捕手だった父には、投球練習の相手をしてもらった。体が大きく、優しく、安心感のある、大好きな父だった。
練習中に知らされた突然の出来事を、すぐには理解できなかった。秋季大会で初めて背番号11をもらったが、思うようにはいかなかった。もう1度、体作りを見直し、一冬で球速が6キロ向上。春に強豪校のエースの座を勝ち取った。母佳未(よしみ)さん(44)は「父と同じで野球が大好きだから、最後まで自分らしく戦ってほしい」と息子の活躍を願った。江藤は「絶対に甲子園に出て、マウンドに立っている姿を父に見せたい」と誓った。