
<高校野球新潟大会:新発田農7-0小千谷>◇17日◇3回戦◇新発田市五十公野公園野球場
新発田農が小千谷に7-0で7回コールド勝ちした。先発のエース遠山剣臣投手(3年)が5回1安打無失点、無四球の7奪三振。打っても先制の適時二塁打を含む4打数2安打1打点と投打でフル回転した。小出は万代との乱打戦を制して20-9で7回コールド勝ち。準決勝に進出した15年以来10年ぶりの16強入りを果たした。4回戦は19日に行われる。
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新発田農のエースが斬りまくった。遠山は1回裏2死で二塁打を許したが、その後は直球とスライダーを軸に的を絞らせず、スコアボードに0を並べた。5回を56球、1安打無死四球7奪三振の快投でチームを16強に導いた。「追い込んでから狙って三振が取れた。良かった」と淡々と振り返った。
打っても、すごかった。0-0の2回表2死二塁で、右翼線にもっていく先制の適時二塁打。その後の打線もつながり、一挙4点を奪うビッグイニングを呼び込んだ。7回表の4打席目は「行ったと思った」と、98メートルと記された左翼フェンスへの直撃打。公式戦初本塁打には数センチ足りず、一塁上で笑って頭を抱えたが、いい感覚は残っている。「チャンスが回ってきたら、自分もチームも助けるために次は打ちたい」。
学校では環境科学科の「地域環境デザイン専攻」で学ぶ。試合前日の16日には、校庭で育つ樹木の剪定(せんてい)実習に参加していた。「切るのは楽しい」。バランスを見ながら整え、景観を美しく保つ-。グラウンドでも美しいマウンドさばきで試合をデザインした。
入学直後からマウンドを守るエース右腕は「打倒・私学」を掲げ、ここまで大きく育った。中1日で迎える19日の4回戦は、昨年優勝の新潟産大付と対戦する。「春、(昨年の)秋と続けて準々決勝で私学に負けている。勝つだけ」。県内ではまだ見せていない隠し球もある。昨年王者を斬りまくり、「芝農」が次のステージに進む。【小林忠】