
<高校野球新潟大会:十日町13-0高田農>◇12日◇2回戦◇柏崎市佐藤池野球場
十日町が高田農に13-0で5回コールド勝ち。先発のエース大平慎太朗投手(3年)が昨夏以来の公式戦出場で3回を1安打無失点、5奪三振と好投した。
村上桜ケ丘は一昨年の甲子園出場校、東京学館新潟に13-5で打ち勝った。2ー0の1回表2死満塁で8番渡辺勇陽投手(3年)が右翼に満塁本塁打。投げても5失点ながら完投した。新潟江南は村上に5-4でサヨナラ勝ち。9回裏に5番五十嵐碧内野手(3年)が決勝の適時二塁打を放った。
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エースが復活をアピールした。十日町・大平は「守備のみんなに助けてもらおうと思った」とテンポ良く投げた。3回43球で無四球。許した走者は2回表の左翼への単打1本だけで「狙っていなかった。予想以上だった」と言う三振は、低めに決まる直球とスライダーで5個奪った。
公式戦出場は昨年7月20日、ハードオフエコスタジアム新潟での準々決勝・新発田南戦(1-4)に3番手で登板して以来357日ぶり。「久しぶりで緊張もあった」。テイクバックが小さく、膝でリズムを取るような独特な2段モーションから140キロ近い速球を投げ込む。フォーム作りの過程では負傷が相次いだ。昨春は右肩、昨秋は左肘、今春は左大腿(だいたい)部を肉離れ。しかしフォームが固まるにつれて完治し、最後の夏に間に合った。
1年の夏にもベンチいりしている経験豊富な大黒柱だ。矢口公一監督(48)は「3年生になって、自分が中心になるという気持ちになった」と成長を感じている。普段から体調管理に気を配り、帰宅後に勉強して午前0時ごろ就寝していたが、昨秋から勉強は授業の合間などに学校で済ませ、午後10時には就寝するようにした。日常からの取り組みが結果につながった。
昨夏の新発田南戦は2回2失点と追加点を許して敗れた。「今年はエコスタで勝って、昨年や一昨年の先輩に勝利を見せたい」。目標を追う準備はできた。【斎藤慎一郎】