
<高校野球西東京大会:田無2-1聖徳学園>◇12日◇2回戦◇府中市民球場
1点リードの9回2死の守備。マウンドで固い握手を交わした。
田無の先発曽山勇貴投手は、主将の立川雄大内野手(ともに3年)から「ここで投げられるのはお前しかいない。全部託した!」と力強いメッセージをもらった。
聖徳学園の代打井田を四球で歩かせ2死一塁。続く6番峯岸へのカウント2-2からの6球目。右のサイドハンドが投げた直球は飛球となり、左翼の子安葉流外野手(2年)のグラブに収まった。
コースがやや甘く、曽山は「一瞬ヒヤッとした」。しかし、115球、4安打1失点の完投勝利に両手を高く突き上げて喜び、「ここで自信をつけられた。ひとまずホッとした」とかみしめた。
元々はスリークオーターだったが、制球力勝負に集中するため、昨春から横手に転向。阪急で通算284勝を挙げた山田久志氏の映像も参考に、地道に腕を磨いてきた。
「食べるのが苦手」という身長175センチ、体重59キロの体にはスタミナ不足も懸念される。それでも「いつもあまり力は入れず、3、4割で投げる」のが強みだとエースはニヤリと笑う。次も省エネ投球で勝利へと導く。【泉光太郎】