
<高校野球宮城大会:東北学院12-2富谷>◇11日◇1回戦◇石巻市民球場
松島が仙台西を7-4で破り、好スタートを切った。「1番投手」で先発した八木直也投手(3年)が投打で活躍。2安打3打点にヘッドスライディングでチームを鼓舞し、9回完投で初戦突破に導いた。東北学院は富谷に12-2で6回コールド勝ちした。
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ミスを自らのバットで取り返した。4回、4-1で迎えた1死満塁の好機。導かれるように東北学院の新原歩稀(あゆき)内野手(3年)に打席が回った。初回、富谷の先頭打者が放った平凡なゴロを失策。「エラーを取り返そうと思いました」。高めの直球を捉えた大きな当たりは、右中間を破り、走者一掃の適時三塁打となり、コールド発進を大きくたぐり寄せた。
1カ月前に「3番」に抜てき。それまでは、50メートル5秒9とチーム一の俊足や、セーフティーバントなどの小技を生かす「2番」に座っていた。だが、打順が変わっても、やることは同じ。「3番だからと気負うことはなく、2番でやってきたことを続けながら、後続につなぐ意識でやっています」と口にした。
憧れは阪神の中野拓夢。172センチと小柄ながらも、侍ジャパンに選出される名手だ。新原も身長は170センチ前後。「(中野選手は)しぶとさやコンパクトさで打率を残していて、体が小さいながらもできることはあるなと思いました」とプレースタイルを参考にする。「自分の強みは足の速さなので、しっかり出塁して、足を絡めながら相手バッテリーを揺さぶって、勝利に貢献したいです」と意気込んだ。どんな相手でも、自分らしさを貫き、誰よりも大きい存在感を放つ。