
<真夏のライラック:光泉カトリック・束田大海外野手(3年)>
<高校野球滋賀大会:水口4-0光泉カトリック>◇9日◇1回戦◇HPLベースボールパーク
今春県大会8強の光泉カトリックが1回戦で姿を消した。試合終了後、涙を流しながらチームメートに駆け寄ったのは背番号20の束田大海(たいが)外野手(3年)。昨秋に男子マネジャーに転向し、三塁コーチを務めるなど「学生コーチ」としてチームメートを支えた。
古沢和樹監督(40)は「とにかく気が利く。とても優しい子だから」と束田の人柄を買い、選手から転向を勧めた。しかし当初、束田は「最後まで選手としてやります」と断った。両親にも相談し、チームを第一に考えた結果、男子マネジャーを引き受けることにした。監督は「春にベスト8になったのも束田が三塁コーチャーとしてみんなを支えたから。僕も気づかないことに気づける」と、束田の存在に感謝した。
束田は「あまり野球が得意ではなかったからこういう形になったけど、チームのために近くで支えることができてよかった」と目に涙を浮かべながら語り、「キャプテン、3年生、後輩みんな、いつもありがとう。僕は今日で最後だけど、こんな僕を受け入れてくれてありがとう」と周囲への感謝を何度も口にした。【溝淵千夏】