
<高校野球宮城大会:仙台東20-2小牛田農林>◇9日◇1回戦◇楽天モバイルパーク宮城
仙台東が小牛田農林に20-2の5回コールド勝ち。先発のエース石浜李樹投手(3年)が先制打で猛攻の口火を切り、2安打2打点の活躍をみせた。
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普段はスタンドから見ているこの景色-。楽天が本拠地を置く楽天モバイルパーク宮城でのプレーに、石浜は「最高でした」と喜びをかみしめた。2回無死一、二塁の好機。「大会の初得点を狙っていました」と甘めの直球を捉え、有言実行の先制点をもたらした。これが打線に火をつけ、終わってみれば計19安打、20得点の大勝だった。
楽天ファンの石浜。これまで何度も球場に足を運んできた。さらに、開幕カードが決まってからは、楽天の試合を動画で視聴。「自分もここに立つんだな…」と、イメージを膨らませていた。さらに、憧れの選手は同じ左打者のルーキー宗山塁内野手を挙げた。「広角に打ち分ける技術や、単打でつなぐバッティングを理想としています」と目を輝かせながら話した。
石浜のチャームポイントである笑顔で、マウンドからつくった雰囲気が最後まで生きた。「自分は笑顔が良いポイントだと思っているので、最後まで笑顔で戦おうと思っていました」。雷による1時間7分の中断中も、リラックスした雰囲気で過ごした。「緊張を保ちながらも、気を張りすぎないようにしていました」。それでも「中断明けに崩れないように、1球目から集中していこうと話しました」と一瞬たりとも気は抜かず、3回2失点でまとめた。
2回戦では柴田-古川の勝者と対戦する。「自分らしいプレーをしたいです」と石浜。「ピッチングでは無失点でチームに貢献して、バッティングでは、今日のようにチーム初打点を挙げたいです」と意気込んだ。2年秋から投手転向し、つかみ取ったエースナンバー。「決勝まで行って、またここで投げられるように頑張ります」。再び、この最高のマウンドに戻ってくるつもりだ。【木村有優】
○…仙台東は20得点の猛攻で開幕試合で白星を挙げた。打者10人で6点を入れた2回の攻撃途中には給水タイムが取られた。県独自の新熱中症対策として、暑さ指数が厳重警戒ランク(WBGT28)以上になると「15分を超えて2つのアウトが取れない場合、守備側の給水時間を設ける」ことが決まり、早速適用。先制打の石浜李樹投手(3年)は「大会の初得点を狙っていました」と話した。
◆WBGT 環境省のHPによれば、熱中症を予防することを目的として1954年(昭29)年にアメリカで提案された指標。人体と外気との熱のやりとり(熱収支)に着目した指標で、<1>湿度<2>日射・輻射(ふくしゃ)など周辺の熱環境<3>気温の3つを取り入れた指標。