
<高校野球滋賀大会:比叡山8-2近江兄弟社>◇7日◇1回戦◇マイネットスタジアム皇子山
第107回全国高校野球選手権大会(8月5日開幕・甲子園)につながる地方大会が7日、全国各地で行われた。滋賀では春夏13度の甲子園出場を誇る比叡山が甲子園経験校の近江兄弟社を8-2で下した。比叡山は平成7年(95年)の第77回大会にも甲子園に出場しており、15年以来10年ぶりとなる聖地を目指して、令和7年7月7日に白星発進した。東東京の広尾はプロ注目のエース古荘(ふるしょう)敦士投手(3年)が1回無失点に抑え、初戦突破に貢献した。
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「7」にまつわる日付に初戦を迎えた事実自体がある意味、吉兆なのかもしれない。「甲子園に行く」。比叡山ナインの七夕の願い事をかなえる1歩目となる試合は1回表、いきなり動いた。
1死満塁。安田朔(はじめ)外野手(3年)が外角直球をミートした。右翼手の頭上を越える先制V打。試合前に河畑成英監督(41)からキーマンに指名されていた5番打者は「期待されていたので迷いなく振り切れた。今までの積み重ねが打球に伝わった結果だと思います」と白い歯をこぼした。2打席目以降は昨冬に力を入れたチームバッティングに徹し、3度の犠打にも成功。満面の笑みから充実感が漂った。
8回表には北原総内野手(3年)が右越え2ランで滋賀大会1号も記録。打線は先発全員の15安打で8得点をたたき出した。河畑監督が「一度乗り出すと勢いが止まらない」と表現していた打線がイメージ通り、得点を積み重ねた。投げてはエースの岡田季晋(きしん)投手(3年)が6回1/3を2失点。制球に苦しみながらも要所を締め、流れを渡さなかった。
2年ぶりの初戦突破を決めたこの日は令和7年の7月7日。平成7年の同月同日以来、30年ぶりの「スリーセブンデー」だった。比叡山は30年前の77回大会で滋賀を制して甲子園に出場。「7」という数字には縁がある。安田は「やれることはやってきたので、見えない力も後押ししてくれると思う」と目をギラつかせた。10年ぶりの聖地へ。もちろん、7月8日以降も勢いは止めない。【一 樹】