
<高校野球福岡大会:福岡西陵8-4浮羽工>◇5日◇1回戦◇久留米市野球場
九州最多132チームが出場する福岡大会が開幕し、元阪神外野手の甲斐雄平(37)が部長を務める福岡西陵が17安打8得点で1番星を挙げた。
1-4の6回に打者11人の猛攻で一挙5得点。7回にはさらに2点を追加し、最大4点差をひっくり返す逆転勝ち。3年ぶりの初戦突破を決め、今年4月まで監督を務めていた甲斐部長は「よく打ちました。成長を感じる一戦でしたね」とベンチで見届け、ナインの“猛打ショー”に目尻を下げた。
甲斐部長は10年から12年まで阪神でプレー。09年にドラフト3位で指名され、バース氏が背負っていた背番号「44」と大きな期待を寄せられた。だが、在籍3年間で1軍未出場。12年に現役を引退し、同校には19年に赴任。野球部副部長を務め、20年には監督に就任した。その後は現場を離れ、24年春に再び監督復帰。今年4月から部長となり、福岡大の後輩にあたる吉村允良監督(30)をはじめ、チームをバックアップしている。
決勝打に、ダメ押し打とこの日4安打2打点の活躍だった中村十真(とおま)外野手(3年)は「(甲斐部長に)守備面で目の切り方であったり、ゴロの取り方を教えてもらいました」と言う。“甲斐イズム”の効果もあり、春の県大会で敗れた浮羽工にリベンジし、快勝発進を決めた。