
<高校野球兵庫大会:姫路南9-2神戸北・伊川谷北・神戸学園都市(7回コールド)>◇5日◇1回戦◇明石トーカロ球場
連合チームの夏は1回戦で幕を閉じた。
エースで主将の神戸北・羽村優志(ゆうじ)投手(3年)が先発マウンドに上がったが、3回の投球中に腰を痛め、4失点で途中降板。一方で、バットでは4打数2安打で初回に先制のホームも踏んだ。降板後も右翼を守り最後までチームを支えた。
昨年、神戸北は単独チームとして出場し、シード校を下すなど少人数チームながら存在感を示した。しかし今年の4月から学校再編により新入生はゼロ。神戸北は3年生が5人、2年生が1人、そして伊川谷北、神戸学園都市合わせて13人の連合チームとなった。3校を引っ張ってきた羽村は「土日のみの合同練習でコミュニケーションをとってきた。ユニホームは違うけど、心はひとつだという気持ちで。でも負けてしまって悔しい、それよりも申し訳ない」とやりきれない表情を見せた。
連合チームの指揮をとった神戸北・福本友貴監督(40)は「実は昨年の秋季大会が終わってから今の3年生は全員やめようと退部届をもらいに来た。羽村とはその期間ずっと話していた。最終的に羽村が退部届を破って渡してきた」と野球部の存続危機を明かし、「他校の平日の様子がわからない、向き合っているつもりだったけど…。もうひと月ほしかった」と悔しさをみせた。
羽村は「野球ができるのは当たり前じゃない、たくさんの支えがあって今日を迎えられた」と周囲のサポートに感謝。今後も野球を続ける意思で「大学でも野球がしたい。野球部としての経験を野球にも野球以外のことにもつなげたい」と語った。