
<日本ハム7-1楽天>◇4日◇エスコンフィールド
日本ハム水谷瞬外野手(24)が、先頭打者弾を含む自身初の1試合2発でチームの連敗ストップに貢献した。初回に左中間へ6号ソロを放つと、同点に追い付かれた3回は決勝の左中間適時二塁打。7回には左翼へ7号ソロを放った。3安打3打点で上がったお立ち台では、「1、2、3、ジェッシー!」と絶叫し、快勝に沸くスタンドを盛り上げた。
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敵地で3連敗、3戦でわずか2得点だった打線を、先頭打者の水谷が一変させた。初回、早川の5球目、145キロ直球を左中間席に運ぶと、同点の3回1死一塁では、左中間を破る適時二塁打。1イニング一挙5得点の口火を切った。「ホームに帰ってきたってこともある。またリセットしてやっていこうっていう中の1打席目、いいアプローチができた」。6月15日以来19日ぶりのエスコンフィールド。待っていた本拠地ファンに歓喜を届けた。
マウンド上の早川とは昨年も好相性だった。15打数7安打で打率4割6分7厘、2本塁打。理由は本人も「わからない」が、「相手の立場からしたら意識するだろうとは思う」。18・44メートルの距離で対峙(たいじ)すると、自然と優位に立っている。
新庄監督は好調の兆しを、水谷のバットに感じていた。「最近折れてないしね。去年ね、260本ぐらい折ってたから(笑い)」。本数はさすがに“盛られて”いるが、以前のように折れなくなったのは事実。ボールを引きつけて打ちたいタイプのため、本人は「折ってヒットを打つのがいいバッター。折れてもヒットゾーンに落ちるってことは、いい軌道で(バットを)出してるから」と気にはしていないが、投手が津留崎に代わった7回の2本目のアーチは、内角高めの148キロをしっかりと呼び込み、左翼へ運んだ1発。厳しいボールに詰まることなくスタンドへ飛ばしたアーチに、好調さが凝縮されている。
2度響いた「パイナポー!」の絶叫と、お立ち台で叫んだ「1、2、3、ジェッシー!」。だが試合後はすでに冷静だった。「ホームランはそんな何本も何本も打てるわけじゃない。状況、カウントによっては違うバッティングもできるようになっていかないといけない」。激戦が続く混パの中で、昨年の交流戦男がノってきた。【本間翼】