
北海道コンサドーレ札幌は27日、ホームロアッソ熊本戦(28日、大和ハウスプレミストドーム)に向けた練習を試合会場で行った。報道陣には冒頭15分のみ公開し、残りは非公開。日本代表と同じスタイルだった。今季就任した岩政大樹監督(43)体制では、キャンプ中の練習試合の非公開はあったが、練習では初めて。岩政監督は「選手たちが前日を集中してやりたいという要望があったので、それに応えただけ」と、選手によるリクエストがあったことを明かした。
札幌は市内にある宮の沢白い恋人サッカー場を練習拠点としており、報道陣含めて見学者に練習を公開している。観客席も設置されていて、サポーター以外にも隣接する白い恋人パークを訪れた観光客ら、連日多くの見学者がいる。
現在J2・12位で、J1昇格への巻き返しを狙うチーム内で、“鉄のカーテン”作戦が浮上。「選手からの発信で、そういう声が出てきたのであれば、できるだけやらせてあげようということで、突然2、3日前にドームの方にもお願いして、やらせてもらった」と、急きょ練習場所をプレドに変更し、非公開練習が可能な環境を整えたという。
指揮官は選手たちの思いを受け止める。この日の練習後には、ピッチに残った選手が自主的にボードを囲んで戦術を話し合う姿があった。「選手たちが徐々に自分たちと向き合い始めたのが4月、5月。我慢の時間があったが、選手たちは自分たちに向き合ったからこそ、今の彼らになっている。主体性を持った組織が勝っていくと思う」と、自ら動く様子をうれしそうに見守る。
チームが好転していると感じており「そのエピソードの1つとして、今日の非公開の進言があったと思う。そういう意味でもターニングポイント。何とか勝たせてやりたい」と結果につなげる覚悟。今季2度目の2連勝で自信を深めたい。【保坂果那】