
<明治安田J1:川崎F3-1新潟>◇第15節◇25日◇U等々力
川崎フロンターレが監督交代直後のアルビレックス新潟に3-1で完勝し、5位に浮上した。J1通算200試合出場を達成したMF脇坂泰斗主将(30)が自らを祝う先制点を挙げた。
0-0の前半12分、ペナルティーエリア正面からの直接FKをゴール左上に沈めた。直前にあった同位置のFKはMF山本悠樹に譲っていたが、自身の番できっちり決めた。
「練習から良いキックができていた。自信を持って蹴らせていただいた。1本目はユウキに任せたので次は任せてもらいました。ちょっと(三浦)颯太にフェイントいれてもらってGKの動き見たんですけど、あまり動くことなかったので、狙いを変えずに狙ったところに。100点だと思います」
2試合連続となる今季4点目は自画自賛の一撃となった。6月11日に第2子が誕生。ゴール後はチームメートからゆりかごダンスで祝われた。21日の前節ヴィッセル神戸で得点した際はセレブレーションは特になかったが、まさかの祝福。「喜びを表現していたところに、三浦が『ゆりかごやろう、ゆりかごやろう』といってくれたので、うれしかったですし、みんながのってくれたのでやらせてもらいました」と舞台裏を明かした。
自身の200試合と同じ試合で大ベテランのFW小林悠(37)がJ1通算400試合出場を達成。めでたい1日となったが脇坂は「全然うれしくない。(自分の記録が)かすんだなと。400で。すばらしい記録で200試合がかすんだなとショックです」と先輩をイジって笑わせた。
18年に大卒でプロ入りしてから8年目で大台に到達した。自身の記録に強いこだわりはないが「1年目のリーグ0試合を考えたら、まあまあまあ誇って良い記録なのかな」とうなずく。 リーグタイトルやカップ戦を取りまくった時期に、着実に出場機会を増やし、数字を伸ばした。1年目はリーグ戦出場なしに終わったが、代表クラスのライバルたちとのレギュラー争いに生き残り、3度のベストイレブン獲得とリーグ屈指の選手に。日本代表にも選出された。
「自分が試合に出ることではなくてプロとしてどう生き続けるのかいろいろな先輩方をみて、心折れることなくやり続け、2年目でゲーム絡めるようになって今がある。あの1年目の苦しかった時間が今のぼくを間違いなく作っている、それが大事だった」
昨季からはキャプテンに就任。ピッチ内外でチームを引っ張る存在だ。「とにかくチームが上に行くために勝利が必要だった中で勝利につながるゴールが取れて良かったです」とチームの勝利が第一優先。前半戦の未消化分がなくなり、同試合数で首位鹿島アントラーズとは勝ち点差が6まで縮まった。「大事な戦いは続く。勝ち続けることで上にプレッシャーをかけるしかない」と力を込めた。【佐藤成】