パピヨンの抜け毛は多い?
パピヨンは、一般的には抜け毛が少ないと言われるシングルコートの犬種です。
しかし、実際には抜け毛の量には個体差があり、同じシングルコート犬種の中でも中程度~やや多めに抜ける場合があります。多くの飼い主が「想像していたより毛が抜ける」と感じることも珍しくありません。
パピヨンの被毛は絹糸のように細く柔らかいため、抜け毛が束になってごっそり抜けることはほとんどありませんが、細くて軽い毛が常に抜け落ちているのが特徴です。そのため、室内や衣服にいつの間にか毛が付着し、特に黒い服や濃い色の家具などでは目立つことがあります。
被毛の特徴|シングルコートの構造
パピヨンの被毛は、柴犬やコーギーのようなダブルコートの犬種とは異なり、保温や保湿を担うアンダーコートが存在しません。表面の被毛(オーバーコート)のみで構成されているため、一年中常に毛が少量ずつ抜け続ける仕組みになっています。
この構造のおかげで、季節の変わり目に激しく抜けるダブルコート犬種とは異なり、大量の毛が一気に抜けることは少ないです。しかし、一年を通じてゆるやかに抜け毛が続くため、日常的なケアは欠かせません。
季節や成長段階による抜け毛の変化
パピヨンの抜け毛量は季節によって微妙に変化します。特に春や秋など気温や湿度が変わる時期には、抜け毛がやや増える傾向があります。
また、子犬が成犬になる生後半年から1年頃には、一時的に被毛が薄くなったりスカスカになる「換毛期」を迎えます。この時期は見た目がやや貧相になることもありますが、病気ではなく正常な成長過程です。飼い主は慌てず、この時期を上手に乗り越えるための日々のケアが重要となります。
健康やストレスと抜け毛の関連性
パピヨンは感受性が高く、環境の変化やストレスにも敏感に反応する犬種です。引っ越しや家族構成の変化、留守番時間の増加など、精神的なストレスがあると抜け毛が増えることが報告されています。
また、避妊・去勢手術後のホルモンバランスの変化も抜け毛の増加や毛質の変化につながる可能性があります。被毛や皮膚の健康を維持するためには、栄養バランスの整った食事を摂ることが大切です。
もし部分的な脱毛や左右対称の薄毛、激しいかゆみやフケの急激な増加などが見られた場合は、病気のサインの可能性がありますので、速やかに動物病院で相談するようにしましょう。
パピヨンの抜け毛対策|日常のケア
パピヨンは一年中細かな抜け毛が続く犬種です。日常的にこまめなケアを取り入れることで、愛犬の美しい被毛を保つと同時に、飼い主自身も快適な生活空間を維持できます。
毎日のブラッシングで抜け毛の飛散を抑える
パピヨンの抜け毛対策の基本は日々のブラッシングです。絹のように細く柔らかい毛は非常に絡まりやすく、毛玉になりやすいため、毎日か少なくとも週に数回はブラッシングを行うことが推奨されています。
ブラッシングによって、抜け落ちる前の死毛を取り除くことができ、室内への毛の飛散を大幅に軽減します。また、ブラッシングは皮膚の血行を促し、健康状態をチェックする良い機会にもなります。
適切な頻度のシャンプーと正しい乾燥方法
パピヨンの繊細な皮膚を守るために、シャンプーは月に1〜2回程度が目安です。これ以上の頻度は皮膚の乾燥を招き、かえって抜け毛を増やすことがあります。
シャンプーをする際には、毛玉をあらかじめブラッシングで完全に取り除いてから行いましょう。すすぎ残しは皮膚トラブルの原因となるため、すすぎは入念に行い、その後は必ずコンディショナーで被毛の保湿を行ってください。
また、ドライヤーで根元から完全に乾かすことも非常に重要です。濡れたまま放置すると、皮膚炎や抜け毛を悪化させる原因になるため、注意が必要です。
室内環境を整えて抜け毛を管理する
室内での抜け毛対策は、掃除方法の工夫が大切です。掃除の際は、まずウェットタイプのシートやフロアワイパーなどで毛を絡め取り、その後に掃除機をかけると効率的に毛を除去できます。空気清浄機の使用も抜け毛を減らす助けとなります。
家具やソファについた細かい毛は、ゴム手袋で撫でると静電気によって簡単に集められます。こうした日常のちょっとした工夫が、抜け毛のストレスを軽減するポイントです。
パピヨンの抜け毛対策|グッズ選びのポイント
パピヨンの抜け毛管理には、犬種の特性に合った適切なグッズを選ぶことが大切です。道具選びを間違えると、かえって被毛を傷つけたり、皮膚に負担を与えたりする可能性があります。用途ごとに最適な道具を選び、正しく使用することで効率的に抜け毛をケアできます。
用途別に使い分ける3種類のブラシ
パピヨンの被毛ケアには、ピンブラシ、スリッカーブラシ、コームの3種類のブラシを揃えておくのが理想です。
- ピンブラシ:毛の絡まりや表面のほつれを優しくほぐす目的で使います。
- スリッカーブラシ:柔軟性のある細いピンが特徴で、被毛の根元から死毛を丁寧に取り除きます。ただし、強く擦ると皮膚を傷つけるため、ソフトタイプを選び、力を入れずに優しく使用しましょう。
- 金属製コーム:ブラッシング後に仕上げとして使用し、残った毛玉や絡まりがないかを最終チェックします。
これらのブラシを正しく使い分けることで、プロ並みの仕上がりを実現できます。
抜け毛を抑えるドッグウェアの選び方
抜け毛の飛散を一定程度抑えるために、ドッグウェアを利用するのも有効です。特に来客がある時や外出する際に便利です。ただし、ウェアは通気性と肌触りに優れた素材を選び、サイズが合った動きを妨げないタイプを選ぶことが大切です。
長時間着せっぱなしにすると皮膚が蒸れてトラブルになるため、適宜脱がせ、皮膚を休ませてあげましょう。
被毛を傷つけるおそれがあるブラシに注意
シングルコートのパピヨンにとって、ダブルコート用に設計された特殊なブラシ(アンダーコートを大量に除去するタイプ)は、被毛に損傷を与える恐れがあるため基本的に使用は控えるべきです。
被毛が傷つくと、元の美しい状態に戻るまで時間がかかることがあります。パピヨンの被毛の特性をよく理解し、適切なケアグッズを選びましょう。
パピヨンの抜け毛対策|健康管理
パピヨンの抜け毛対策は、日常的なケアや適切なグッズ選びだけではなく、身体の内側から健康を維持することが非常に重要です。食生活や生活環境を整えることで、抜け毛を軽減し、美しい被毛を育む土台をつくりましょう。
バランスの良い食事で健康な被毛を育てる
パピヨンの被毛の主成分はタンパク質です。肉や魚など動物性タンパク質を豊富に含んだ栄養バランスのよいドッグフードを選びましょう。
また、被毛と皮膚の健康維持にはオメガ3脂肪酸やオメガ6脂肪酸、ビタミン、ミネラルなども欠かせません。栄養成分表示をよく確認し、必要な栄養素を適切に摂取できるフードを選ぶことが重要です。
適切な運動とストレス管理で抜け毛予防
パピヨンは賢く活動的で、運動不足やコミュニケーション不足によるストレスが抜け毛の原因になる場合があります。日常的な散歩や室内での遊び、知育玩具を使った刺激的な遊びを取り入れ、心身ともに健康的な状態を保ちましょう。
環境変化によるストレスを軽減するためにも、飼い主との十分な触れ合いや規則正しい生活リズムを心がけ、愛犬の精神的な安定を図りましょう。
抜け毛が病気のサインになることも
被毛の変化が単なる生え変わりではなく、病気のサインである場合があります。特に、局所的な脱毛、左右対称の抜け毛、大量のフケ、かゆみや皮膚の赤みなどが目立つ場合は、アレルギー性皮膚炎やホルモンの異常など、何らかの疾患が潜んでいる可能性があります。普段と異なる症状が見られたら自己判断せず、動物病院で専門家に相談しましょう。
まとめ
パピヨンはシングルコートの犬種の中でも、抜け毛が比較的多い傾向があります。そのため、日々の丁寧なブラッシングや定期的なシャンプーなどの基本的なケアが欠かせません。
また、犬種に合った適切なケアグッズを使用し、被毛を傷つけないことも重要です。さらに、身体の内側からの健康管理として、バランスのとれた食事や十分な運動、ストレス軽減に努めることが、美しい被毛を維持し、抜け毛を最小限に抑えるための効果的な方法となります。
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