
阪神佐藤輝明内野手(26)が、ホームランダービーを独走中だ。交流戦を終えて19本まで積み上げ、2位のDeNA牧に6本差をつけている。パ・リーグトップはレイエス(日本ハム)の14本で、10号に続いて20号両リーグ一番乗りも間違いなさそうだ。
佐藤輝は5月1日に両リーグ10号一番乗りを果たした。阪神では田淵らに次いで5人、7度目のことだったが、過去の4人(6度)は、最終的に本塁打王のタイトルは取れなかった。
だが、20号両リーグ一番乗りなら話は別だ。過去、阪神で20号両リーグ一番乗りを果たした選手は5人。そのうち3人は本塁打王に輝いている。75年田淵は巨人王の14年連続本塁打王を阻止し、84年掛布は中日宇野とタイトルを分け合った。85年バースは3冠王で初の日本一をけん引した。
タイトルを逃した90年のパリッシュと10年のブラゼルも惜しかった。パリッシュは前年にヤクルトで42本塁打でタイトルを獲得し、阪神に移籍。90年もアーチを量産していたが、古傷の左膝の状態が悪化し、8月にシーズン途中での退団、帰国が決定。その時点でトップだった本塁打も28本でストップし、最終的に中日落合が34本塁打でキングになった。ブラゼルは巨人阿部と同日に20号一番乗りを果たし、終盤まで激しい争いを展開。ブラゼルは10月5日、チーム142試合目に2発を放ち47本に。だが、同日に巨人ラミレスが48号を放つ(最終49本)。ブラゼルは残り2試合で積み上げられず、涙をのんだ。
パリッシュやブラゼルがタイトルを逃したこともあり、阪神選手の本塁打王は86年のバース以来出ていない。佐藤輝は20号も両リーグ一番乗りを果たし、球団39年ぶりの本塁打王へ、さらに独走状態を固めたい。【記録室 高垣誠】