＜侍ジャパン大学代表選考合宿紅白戦＞◇22日◇バッティングパレス相石スタジアムひらつか
東大のサブマリン渡辺向輝投手（4年＝海城）が、父である元ロッテ投手で日本製鉄かずさマジック監督の渡辺俊介氏（48）がスタンドで見守る中、2番手として登板。1イニングを1安打1四球でピンチを招くも、後続をしっかりと打ち取り無失点に抑えた。「3者凡退で抑えたいと思って上がったマウンド。結果的にヒットを打たれた。中継ぎとしてはまだまだ」と、反省を口にした。
父・俊介氏（48）の観戦はサプライズだった。合宿前、「見に行くかどうか、わからない」と曖昧な返事をしていたが、球場に足を運んだ。「本人がここをひとつの目標にしていた。やっとたどり着いて、いろいろな思いがある中でやっている姿は見ておきたいな、と思ったんです」と、胸の内を明かした。息子がマウンドに上がると、それまでつけていたサングラスを外し、自身と同じ下手投げ右腕に1球1球に熱視線を送った。「今日はアピールという思いもあってか、速い球を見せたいとか、ちょっと違うもの（気持ち）が混じっているかな、と思いました。でも、そういう中でも頑張っているのが見えたので、オヤジとしては悔いなくやってくれたらと思います」と笑みを浮かべ、息子の大舞台に熱い胸の内を明かした。
反省が残るマウンドも、父からのエールに前を向く。「え！ （父が）来てたんですか！」と、緊張の表情から一転、笑顔に。「自分はこの合宿でワンポイントの中継ぎとしてどこまで戦えるか試されている。明日は3者凡退でいきたい」。初の日本代表入りへ。最終日でのアピールを誓った。
