
<高校野球南北海道大会札幌地区予選:札幌龍谷学園8-2札幌月寒>◇22日◇1回戦◇札幌円山
札幌地区が開幕し、札幌龍谷学園が札幌月寒に8-2で勝利し、2回戦進出を決めた。2番・中山汰一内野手(3年)が5打数5安打2打点、本塁打が出ればサイクル安打達成という活躍。さらに右前腕を負傷した先発の竹村瑛太投手(3年)に代わって6回から2番手で登板し、4回3安打2失点(自責0)で試合を締めた。
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札幌龍谷学園の中山が勝利に貢献した。初回の二塁内野安打にはじまり、3回は右翼へ二塁打、4回に右前打を放つと、6回には左翼へ三塁打。7回2死三塁で迎えた5打席目は「(記録を)少し意識してしまった」ものの、中越え適時二塁打で8点目を奪い、喜びの雄たけびを挙げた。サイクル安打達成はならなかったが5安打2打点。「大会(前)まで不調だったけど、監督から打撃の指導をしてもらい、打てるようになった」と、フォームの助言を受けた寺西直貴監督(54)に感謝した。
ピンチを救った。先発の背番号10、竹村が3回に打球が右前腕に当たるアクシデントに見舞われた。続投したが、腫れが悪化したため5回で降板して病院へ。中山が2番手としてマウンドに立った。7回に味方の失策が重なり2点を失うも、8、9回とゼロを並べた。「練習を一緒に乗り越えたチームメート。竹村の分まで頑張りたいという気持ちは大きい」。公式戦2度目の登板、仲間の分も腕を振った。
2年冬から挑戦し、投手歴はまだ半年ほど。志願したのは「肩に自信があったので」。短期間ながら最速は137キロで、すでにスライダー、カーブ、カットボール、フォークを投げ、新球も練習中だ。野球を本格的に始めたのは札幌札苗北中入学後という遅咲き。当時は野球のルールを覚えることから始めたが、3年時に全国中学に出場した。急成長を遂げ、センスの高さを感じさせる。
投打で活躍した夏の初戦。「目指すところは甲子園だけど、上を見すぎると足をすくわれる。まずは目の前の試合を1戦1戦」と、2回戦札幌琴似工戦に集中した。【保坂果那】