
<明治安田J2:大宮0-0鳥栖>◇第20節◇21日◇NACK
サガン鳥栖が、敵地での3位RB大宮アルディージャ戦に臨み、執念で勝ち点1をつかんだ。
立役者はGK泉森(いずもり)涼太(25)。0-0で迎えた後半39分、相手に与えたPKを守護神が右手で阻止。相手キッカーのFW豊川が自らの右側に蹴るのを読み、絶体絶命の危機を救った。
「豊川選手のキックモーションを見て、しっかり跳べたので良かった。90分通して苦しい戦いだったが、こういう試合でも、僕たちは勝たないと意味がない」
本人は喜びを見せなかったが、このPKをペナルティーエリア内で相手に与えたMF松本凪生(23)のミスも帳消し。J1昇格を争うライバルに、値千金のビッグセーブだった。
鳥栖の守護神の座は、開幕から4試合はC大阪から移籍してきたヤン・ハンビン(6月3日に退団)が務めたが、5試合目以降は泉森がポジションを奪い、この日で16試合連続フル出場。
開幕4試合で1分け3敗だったチームは、泉森が守護神を務めてからは8勝5分け3敗。この日はPK以外にも相手の決定機を止めるなど、ホームで開幕から10試合連続で無得点がなかった大宮に、初めてゴールを割らせなかった。
大阪・和泉市生まれの泉森は鹿児島城西、大体大を経て鹿児島ユナイテッドに入団。今季から鳥栖に移籍していた。
鳥栖はこれで3試合勝ちなしとなったが、通算8勝6分け6敗の勝ち点30で暫定7位。4月以降はプレーオフ圏内の6位をうかがえる位置におり、後半戦のさらなる浮上が期待される。
小菊昭雄監督(49)は「得点は奪えなかったが、内容的には攻守で素晴らしい時間が多かった。素晴らしい守備をまっとうしたからこそのクリーンシート」と評価していた。