
<日本生命セ・パ交流戦:阪神3-0ソフトバンク>◇21日◇甲子園
阪神大竹耕太郎投手(29)の緊急降板を虎のブルペン陣が救った。つないで、つないで、今季15度目の完封勝利を導いた。
6回、ブルペンに電話が入り、大竹のアクシデントが知らされた。桐敷拓馬投手(25)は体を動かしていたが、肩は作っていなかった。急いで投球を開始。実際、何球投げたかも覚えていない。捕手を座らせての投球はマウンドに行ってから。まさにスクランブル登板。それでも場数を踏んできた左腕は動じなかった。
6回、代打川瀬に対し、2ボールからスタート。2球で2ストライクを奪い、ファウルで粘られながらも最後は空振り三振に仕留めた。野村、佐藤直も空振り三振。3者連続三振で先発降板の窮地を切り抜けた。
「ゼロでいけた。緊急降板で流れが変わったりとかというのも場合によったらあるので。流れをあっちに行かせなかった。自分の仕事がしっかりできたのかなと思います」
及川、ネルソン、岩崎も続いた。前夜の延長10回、決勝点を奪われて敗戦投手になった及川は7回をピシャリ。「昨日は自分のせいで負けた。個人的にもリベンジできた」。8回のネルソンも無失点。最終回は守護神岩崎が締めた。
桐敷から始まった完封リレー。藤川監督も「今のウチのブルペンでは、経験が一番豊富なのは岩崎か桐敷になりますから。救われましたね」と大絶賛だ。
お立ち台に立った桐敷は前日20日が誕生日。26歳の初マウンドで最高の仕事をやってのけ「いい投球ができたので少しは自信になるかなと思います」と照れくさそうに笑った。石井不在でも、ブルペン陣が一丸となってチームを支える。