
<日本生命セ・パ交流戦:阪神1-2ソフトバンク>◇20日◇甲子園
阪神大山悠輔内野手(30)がモイネロ打ちで猛虎打線の意地を示した。0-1の5回。近本と中野が連打でチャンスを作った。打点リーグ1位、2位の森下と佐藤輝が倒れ、嫌なムードが漂っていた中で迎えた第3打席だった。
「みんなでつないで作ったチャンスだったので何とか得点につなげたいと打席に入りました」。5番打者は3球で追い込まれてから粘りを発揮した。場内のボルテージが高まる中の8球目。左腕の得意球チェンジアップをバットの先でつかまえて、中前にはじき返した。「うまく対応できたかと思う」。本塁は微妙なタイミングになったが近本のスライディングがわずかに速く、同点のホームイン。その瞬間、虎の背番号3は一塁塁上で珍しく手をたたき、喜びを表現した。
自身、3試合連続の適時打となった。3連勝には導けなかったが、持ち前のクラッチヒッターぶりが復活している。1点を勝ち越されたあとの延長10回1死でも、津森から中前打を放って望みをつないだ。パ・リーグを代表する好投手たちと相対し、最後まで勝敗の行方が分からない熱戦を演じた。「明日が大事なので、明日しっかり頑張ります」。大山ははっきりとした口調で言い残し、クラブハウスに戻った。【柏原誠】