
<日本生命セ・パ交流戦:広島2-16ソフトバンク>◇19日◇マツダスタジアム
“頂点”が見えてきた。ソフトバンクが「日本生命セ・パ交流戦」の広島戦でともに今季最多16安打16得点の大勝を飾った。5番の栗原陵矢内野手(28)が自己最多タイの1試合6打点をマーク。1回に先制&決勝の右中間適時二塁打を放つと、7回2死一、三塁では出場12試合ぶりの特大4号3ランを放った。これで交流戦優勝マジックは「2」。最短20日にも19年以来6年ぶり9度目の勝率1位が決まる。
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圧倒的な攻撃力だった。ソフトバンクは山川、近藤不在の打線で今季最多の16安打16得点。敵地で広島に完勝し、交流戦の優勝マジックを「2」に減らした。20日に勝利し、なおかつ他球団の結果次第では勝率1位が確定する。目の前のタイトルがはっきりと見えてきた。
打線を勢いづけたのは栗原だった。出場12試合ぶりの1発を含む6打点の大暴れ。1回に先制&決勝の2点適時二塁打を放つと、4点リードの7回2死一、三塁では確信の特大4号3ランを放った。「なかなか最近チャンスで打ててませんでしたし、何とか1本打ちたいなと思っていたので良かったです」。前日18日は無死満塁の絶好機で凡退。4点差逆転負けの一因になってしまっただけに、鬱憤(うっぷん)を晴らすアーチになった。
1試合6打点は24年5月21日の楽天戦(みずほペイペイドーム)以来で自己最多タイだ。十分すぎる活躍だが、小久保監督は6-0の5回1死二、三塁で捕ゴロに倒れた場面に注文をつけた。「あそこはなんとか外野フライを打てないと。現状に満足してはいけない」。開幕前から打線のキーマンに指名してきただけに求めるレベルは高い。栗原自身も「二、三塁の場面でも打ちたかった」と唇をかみ、直後のサード守備での失策も猛省。勝ってかぶとの緒を締めた。
最終カードはセ・リーグ首位の阪神3連戦。敵地で難敵が相手だがソフトバンクも強い。1番周東は9試合ぶりのマルチ安打で、首位打者の柳町は元気に2安打を含む3出塁。野村やベテラン中村も奮闘している。栗原は今季スタメン外を経験し、打率も2割前半を漂うが、ここに来て完全にお目覚めだ。「あまり他のチームのことよりも、自分たちがしっかりとあと3つ。1つずつ勝っていくことが一番かなと思います」。あと3戦、油断なく戦い抜く。【只松憲】
▼交流戦首位のソフトバンクが勝ち、20日にも6年ぶり9度目の交流戦Vが決まる。交流戦は勝率1位が優勝となるため、ソフトバンクが20日の阪神戦に勝てば残り2試合に連敗でも11勝6敗1分けで勝率6割4分7厘。9勝6敗で2位グループのオリックス、日本ハム、西武がそろって敗れ、8勝6敗1分けの5位楽天が引き分け以下の場合、2位以下は残り2連勝でも勝率でソフトバンクに追いつけなくなる。