
<天皇杯:G大阪2-1三重>◇2回戦◇18日◇パナスタ
JFLのヴィアティン三重が、前回準Vのガンバ大阪をあと1歩のところまで追い詰めた。
立ち上がりから勢いを感じさせる戦いを見せ、前半7分には相手のオウンゴールにつながりそうなボールを入れ、同22分には相手のパスミスをFW梁賢柱が逃さずダイレクトシュート。GKの好セーブに防がれはしたが、G大阪ゴールも脅かす堂々の戦いで0-0で折り返した。
前半の戦いを継続した後半11分には、FW大竹将吾に先制ゴール。狙い通りと言える展開で、勝利の可能性を感じさせた。しかし同13分と同22分にG大阪に得点を許し、逆転負け。試合後の会見で間瀬秀一監督は「自分たちは思い出づくりではないし、経験しに来たわけでもない。目の前の相手に勝利するために来て、1-2。ただそれだけ」と悔しさをにじませた。
内容面でも十分に渡り合った中での敗戦だっただけに、指揮官にはさまざまな思いがわき上がってきた。「頭に浮かんでも言いたくないこともある」としながらも口にしたのは「正直、経験(の差)ですよね」。先制直後の失点は、間瀬監督が就任してから注意してきた部分だったといい、そこに惜しさを感じた。「これでやられたのが今のヴィアティンの経験になってしまったが、もしかしたら今日来ていない選手の中には、あの場面で打開できるような経験ある選手がいたかもしれない。それはお互いさまで、この天皇杯に対してメンバーをぶつけ合ったので、そういう意味でも自分たちの敗北です」。あと少しのところまで名門クラブを苦しめただけに、悔しさの残る試合となった。
ただ、ここで味わった思いは、JFL優勝、J3昇格を目指すチームにとってプラスになると信じている。間瀬監督は「悔しさは全員が持っている。唯一そこが、ヴィアティン関係者にとってのポジティブ面かもしれない。勝ちに来たということと、勝つ可能性があったということ。それが優勝、昇格を目指すリーグ戦につながるかはわからない。でもつなげなければいけない。今日通用しなかったことに目を向けて、リーグ戦につなげないといけない」。現在7位からのJFL優勝に向けて、この経験を生かしていくことを誓った。【永田淳】