
<明治安田J1:神戸2-1名古屋>◇15日◇第20節◇ノエスタ
新戦力の活躍で、ヴィッセル神戸が名古屋グランパスを下した。
この試合では今月加入したDF永戸勝也(30)が左サイドバックで先発出場。いきなり存在感を発揮した。
前半4分にゴール前で得た直接FKでキッカーを務めると、同8分の右CKでは、1本目を蹴っていたMF扇原貴宏から引き継いでキッカーに。相手のオウンゴールで1-0とした同アディショナルタイムには、右CKからの高精度キックでFW宮代大聖のゴールをお膳立てした。「狙ったところに蹴れて、流れたところをうまく(宮代)大聖が決めてくれた。少しラッキーなところもあったけど良かった」と謙虚に話した。
9日に完全移籍での加入が発表されてから6日で初陣を迎えるにあたり、吉田孝行監督監督からは時間をかけた個別ミーティングで神戸の戦い方をレクチャーされた。その結果、指揮官は迷わず先発起用。「十分フィットするなと。実戦形式はできていなかったので不安があったかもしれないが、自分としては自信を持って送り出すことができた」と起用の思いを語った。
監督との会話は、永戸にとって有意義なものになった。「立ち位置や対角に蹴られた時のプレッシャーのかけ方は、新しい発見だった」と刺激を受けたことが、いきなり神戸の選手らしいと思わせる動きにもつながった。
この試合では、20~21年に鹿島アントラーズでチームメートだったMF広瀬陸斗との連係も光った。左右のサイドバックとして組んだことはあったものの、縦関係では初めてのコンビ。「(広瀬は)気の利くプレーヤーで、周りの選手を使える。結構縦(への突破)もいけるんだなていうのは新しい発見だったけど、守備のところもしっかり頑張ってくれた。そこを並べてくれたのも、すんなり入れた1つの要因かなと思う」と感謝した。永戸の前に入った広瀬は「ずっと変わらず器用だし、守備ができて、左足のキックもとてもいいものを持っている。デビュー戦で素晴らしい活躍ができたのは、カツくんの能力」と絶賛。相思相愛ぶりをうかがわせた。
新天地で早速存在感を発揮し、勝利に貢献した背番号41は、上々のスタートに手応えを示しつつ、出し切れなかった思いも口にした。「ほっとしてはいるけど、もっとできるなっていうところがあるので、満足せずにやっていきたい」。欠けていたピースを獲得した神戸が、3連覇に向けて前進した。【永田淳】