
<明治安田J1:新潟1-0横浜>◇15日◇第20節第3日◇デンカS
J1で最下位に沈む横浜F・マリノスが、今季2度目の監督解任を決断したことが15日、分かった。この日、敵地で19位アルビレックス新潟に0-1。勝てば3連勝。入れ替わりで19位に上がり、最下位から脱出することができた「裏天王山」だったが、完封負けした。シュート数も4本に対して14本を浴びるなど、スコア以上の力負けだった。
試合後、首脳陣は元オーストラリア代表DFだったパトリック・キスノーボ監督(44)の更迭を決定。後任人選では、昨季途中まで鳥栖を率いていた川井健太氏(44)が浮上している。
歴史的な低迷が続く。名門がシーズンに2度の解任に踏み切るのは、史上初の非常事態。4月にはイングランド代表ヘッドコーチ(HC)だったスティーブ・ホーランド監督(54)を電撃解任し、当時のキスノーボHCを昇格させたばかりだった。「オリジナル10」で鹿島アントラーズと2クラブだけの降格未経験組として、早々に手を打った。
しかし荒療治の効果は出ず、アジア・チャンピオンズリーグ・エリート(UACLE)は準々決勝敗退。リーグ戦も3連敗からクラブワーストの7連敗まで伸びた。5月下旬に首位鹿島(3-1)とFC町田ゼルビア(3-0)を相手に今季初の2連勝で息を吹き返したかに見えたが、天皇杯では国内4部相当のJFLラインメール青森に2回戦で0-2の完敗。中断明けの下位対決も内容は上向かず、痛恨の黒星を喫した。
3勝5分け11敗の勝ち点14で、残留圏の17位FC東京とは同6差。後を託される候補の川井氏は、前サガン鳥栖監督で“戦術家”とされているが、昨年8月に19位で事実上の解任となっていた。年末はJ2ジュビロ磐田監督の最終候補にも残っていたが、ここまでフリーの立場が続いていた。