
J1新潟は15日、ホームで最下位の横浜と対戦する。DF稲村隼翔(23)はセンターバック左で5試合ぶり先発復帰が濃厚。前日14日は雨が降り続けるスリッピーなコンディションの中、正確なパスを味方につなげる技術力の高さを示した。両者の勝ち点差はわずかに「2」。負ければ19位から最下位に転落するが、勝てば降格圏脱出の可能性もある。負けられない一戦で、大卒ルーキーがチームをけん引する。
◇ ◇ ◇
稲村が約1カ月ぶりの先発復帰戦でチームに白星をもたらす。19位新潟と20位横浜は勝ち点2差。負ければ最下位転落の危機にあるが、大卒ルーキーの眼中には「勝利」の2文字しかない。「相手も厳しい位置にいて『何が何でも』という気持ちで来ると思うが、メンタルの部分で上回っていく」と言い切る。
リーグ前半戦は股関節のケガによる離脱期間がありながらも12試合に出場し、そのうち9戦でフル出場している。東洋大時代と異なり、外国人ストライカーとのマッチアップが続くが「劣っているとは思わない」と自信あり。体のメンテナンスと常に安定したパフォーマンスが出せないことに、課題を感じているとも話すが「自分に向き合えている」。ここからの伸びしろに期待できる。
勝って勢いに乗りたいリーグ後半戦のスタート。横浜には今季開幕戦で先制するも後半にPKで追いつかれ、1-1のドローに終わっている。「開幕の時より縦に速く攻撃を仕掛けて来る印象」と警戒するが、DFラインを深くしてブロックを敷くよりも「前線との距離感をコンパクトに保ちたい」。強烈な個を持った前線の選手をフィニッシュゾーンから遠ざけるイメージを持って臨む。
攻撃も相手のウイークポイントはチームで共有済みだ。パスの起点ともなるレフティーにはゴールへの道筋は見えている。「個人的には(リーグ戦は)久々のホームなので、何が何でも勝ちたい」。本拠地の大声援もパワーに、巻き返しに向けて、いい形でリスタートする。【小林忠】
○…監督交代があった横浜はパスサッカーからロングボールを放り込むスタイルにシフトチェンジしている。11日の天皇杯はJFL青森に敗れたが、リーグ戦は2連勝中。右サイドバックの位置で推進力のある相手ウインガーと対峙(たいじ)する藤原奏哉(29)は、「しっかりと強くいきたい」と話し、攻撃では「(今季)ここまでゴールもアシストもない。勝つために増やさないといけない」。攻守両面でフル回転する。