
1日の朝、楽天のロッカールームに37箱の段ボール箱が届いた。届け先の名は「浅村栄斗様」と書かれ、依頼主の名は「H・N」。2000安打を達成した浅村へのサプライズプレゼントの舞台裏に「潜入」した。【取材・構成=久保賢吾】
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ロッカールームに入った浅村の目に、山積みにされた段ボール箱が飛び込んできた。
「ロッカーで動画を撮ってる人がいて、何かあるんかな? って思ったら、大量の段ボール箱があって、何これ? と思った」
宛名は自分で、送り主は「H・N」。西武時代から師匠と尊敬する中島宏之氏からのプレゼントと判明すると、思わず笑った。中に詰められていたのは、“2000個”の「筋肉カステラ」。すぐに中島氏に感謝の思いを伝えた。
「うれしかったですね。チームメートとか周りにも配らせてもらって、みんなも食べてましたよ」
5月ごろから、サプライズ好きの中島氏が極秘で進めた計画。花を贈るのが球界の通例だが、2000本のバラ、お箸など熟考。「筋肉カステラはプロテインとか入ってて、体にもいいし、個包装のカステラなら周りの人にも配れるからね」と決めた。
急なお願いにもかかわらず、2000個の「筋肉カステラ」を用意してくれ、自らもシール貼りを手伝った。「栄斗、ビックリしたって? 作戦、成功やね。喜んでくれて良かった」と笑顔。「次は3000本やね。また何か考えないと」とニヤリと笑った。