
日本代表(FIFAランキング15位)は10日、26年ワールドカップ(W杯)北中米大会アジア最終予選の最終第10戦でインドネシア代表(同123位)と対戦する。
既に予選突破を決め、フレッシュな顔ぶれで臨んだ5日の敵地オーストラリア戦は0-1で初黒星。その試合で先発したセンターバック(CB)2人が負傷離脱した中、期待のかかる21歳の初選出DF鈴木淳之介(湘南)が代表デビューへ意欲を示した。チームは8日、堺市内で調整。MF熊坂光希(24=柏)が練習中に負傷し検査のため病院に向かった。
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湘南のシンデレラボーイが、代表初キャップを心待ちにした。オーストラリア戦でベンチ外だったDF鈴木淳だが、インドネシア戦では出場する可能性が高まった。CBの町田、渡辺が負傷離脱。3バック不足のピンチに「めったにないチャンスをつかむためにも、自分の価値をしっかり出していきたい」と奮い立つ。
ちょうど1年前に、人生を変えるコンバートがあった。中盤でプロ入りしてから2年で出場は5試合。くすぶっていた3年目の昨年6月1日G大阪戦で、CB起用された。主軸の負傷に伴う抜てきだったが、新境地でチャンスをつかみ、シーズン終盤まで定位置を明け渡さなかった。そこから想像を超える成長曲線を描き、代表まで上り詰めた。
「人生、何があるか分かんないなって感じですね」
CBらしからぬ技術の高さが売りだ。左右両足から繰り出すキックと効果的な縦パス、持ち運びで最終ラインから攻撃の起点になれる。「球際など負けるつもりはない」と守備の対人能力も向上。J1では個の強い外国人ストライカーも封じてきた。合流が遅れたこともありオーストラリア戦はベンチ外だったが、次こそは、の思いは強い。「すごくやりがいのある舞台。自分も体験してみたい」。天井知らずのポテンシャルを見せつける。【佐藤成】