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長嶋茂雄さん告別式で中畑清さん振り返る「長嶋ファミリー」になった瞬間「ヘタヘタになって…」


3日に89歳で亡くなった巨人の長嶋茂雄終身名誉監督の告別式が8日に行われました。次女の三奈さんが喪主を務め、96人が参列しました。元巨人の中畑清氏が弔辞を述べ、長嶋監督との思い出を振り返りながら感謝を伝えました。特に印象に残っているエピソードとして、伊東キャンプでの個人ノックや、急な坂道を一緒に走ったことを挙げ、「ミスター」と直接呼び掛けたときのエピソードも語りました。中畑氏は、長嶋氏から人生において謙虚さの大切さを学び、今後もそれを手本に生きていくことを誓いました。

長嶋さんの告別式で弔辞を述べる中畑さん(読売新聞社提供)

3日に89歳で死去した巨人長嶋茂雄終身名誉監督の告別式が8日、都内の桐ケ谷斎場で執り行われた。喪主は次女・三奈さん、葬儀委員長は読売新聞グループ本社代表取締役社長で読売巨人軍取締役オーナーの山口寿一が務めた。

96人が参列した告別式では、元巨人の中畑清氏(71)が弔辞を読んだ。

監督、親父さん、そしてミスター。長い間ありがとうございました。あなたは私の人生の全てです。思い出は山ほどあります。忘れられないのは、伊東キャンプです。監督と二人で交わした個人ノック、忘れられません。ノックの天才ですね。飛び込んでも、飛び込んでも絶対捕れない距離感、それを打ち分ける天才です。捕れない。それに向かって、「この下手くそ、下手くそ」。私はノッカーに「この下手くそ、下手くそ」と言い返しました。たまに打ってくれるサービスボール。うれしかったです。捕って喜んで、監督めがけて投げ返していました。そのボールに「ヒョー、ヒョー」と叫びながら、踊りまくる監督との対決が忘れることができません。私の野球人生で最高の思い出です。夢の時間でした。

そして、伊東キャンプの最終日、我々を苦しめた馬場平でのランニング。馬場平というのは急な坂道が続いていく。そして折り返し、緩やかな坂道を帰るという一周するランニングコースです。厳しいです。きつかったです。私は最後のチャンスだと思い、篠塚に「シノ、何とか監督走らせろ。1回走らせろ」とけしかけたのは私です。そしてシノは普段にはないような、監督のそこまで行ってわざわざ、「偉そうに腕組んで見てんじゃねえよ。1回、自分で走ってみろ」。すぐにです。

それに対して、笑顔で挑発に乗ってくれましたよね。ペッペッと両手に唾を吐いて、「よーしっ」と一気にあの坂を登り始めたんです。一気に登り始めて、姿が見えなくなり、しばらくして、帰ってきてくれるのかなと思いましたけど、なかなか帰ってこない。やっと姿が見えた時には、もう息絶え絶え。ケツ割れして、子供がうんこ漏らしたようなそんな感じで、ヘタヘタになって帰ってくる。

その姿を見て、我々選手は長嶋コールを始めました。「長嶋、長嶋、長嶋」。ゴールした時に、初めて親父さん、ご苦労さまでした。そして、雲の上にいた監督長嶋茂雄が、我々のところまで降りてきてくれたのかなという感情を持ちました。そして、みんなが長嶋ファミリーになった瞬間ではなかったかなという気がします。ありがとうございました。

そして、もう一つは、ミスター。この言葉に本当に憧れを感じていました。一度でいいから本人に向かって「ミスター」と呼びたかったです。そのチャンスが、現役が終わり、引退した後に、監督とゴルフを、千葉県のゴルフ場で一緒にさせていただくことがありました。今日がチャンスだ、そう思って、面と向かって言うのは勇気が要ります。背後から背中越しに「ミスター」と声かけたら、「おお、どうした、キヨシ」と満面の笑みで振り返ってくれました。

その時に子供のような気持ちで、私は心臓が止まるぐらい感動し、喜んだことを覚えています。それ以来、「ミスター、ミスター」と呼ばせていただきました。

ミスターのすごさ、いろいろあります。そんな中で、私の中で忘れられないのは、ミスターは万人に対し、誰にでも対し、心優しい笑顔を見せながら対応する、言葉をかける。あの姿。私は謙虚に、ビッグになればなるほど謙虚に生きろよ、ということを教わったような気がします。それを手本に、これからも頑張っていこうと思います。

本当にありがとうございました。頑張るだけ頑張ってきた89年だと思います。ここで一息入れてください。ゆっくり休んでください。そしてまた、その満面の笑みで国民の前に出てきてくれる夢を見させてください。安らかにお眠りください。本当に長い間ありがとうございました。

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