
中日が9回2死走者なしから2点差をひっくり返す劇的なサヨナラ勝ちを決め、ロッテに連勝した。3番手鈴木を攻め、大島が左前安打でつなぎ、代打ブライト死球で一、二塁。ここで代打石川昂弥内野手(23)が1点差に迫る中前適時打を放った。石橋の四球をはさんで岡林が同点適時打、そして満塁から田中が決勝の押し出し四球をゲット。三塁走者の石川昂は決勝ホームを踏むと万歳した。
「詰まったけど打てたんでよかった」。背番号25にとって、これが1軍復帰後10打席目の初安打だった。
新生井上竜の目玉として不動の4番三塁を期待されたが極度の不振で、開幕13試合で降格。5月31日に1軍復帰したが、スタメン2試合は無安打。転機は3日からの福岡遠征だった。ソフトバンクOBの松中打撃統括コーチに間に入ってもらい、元監督の秋山幸二氏から約15分間の直接指導を受けた。「いろんな方からアドバイスをいただいて、自分のためになるようにやっています」。もがき苦しみながら復調のきっかけをつかむ代打安打になった。
井上監督も「上昇気流に乗ってくれれば。今日の一打で今年のチームに溶け込むものになってくれれば」と喜んだ。最多タイの6寸前だった借金は4に。石川昂にとってもチームにとっても、意義あるミラクル勝利になった。【石橋隆雄】