
<ワールドカップ(W杯)北中米大会アジア最終予選:オーストラリア1-0日本>◇5日◇C組◇第9戦◇パース
【パース(オーストラリア)5日=佐藤成】日本代表(FIFAランキング15位)が26年W杯北中米大会アジア最終予選の敵地オーストラリア(同26位)戦で0-1の敗戦を喫した。最終予選初黒星で、史上初の無敗突破を逃した。A代表デビュー3人を含む9人が最終予選初先発。本大会で「2チーム」以上の選手層を目指す中、新顔と主軸との実力差が浮き彫りになる一戦となった。今日6日に帰国して10日のインドネシア戦(パナスタ)に臨む。
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都会と自然が調和するオーストラリア西部、世界有数の美しさを誇る街で、日本が負けた。フレッシュな陣容でオーストラリアに最終予選初黒星。0-0の後半45分に、ワンチャンスを決められて勝ち点を落とした。初の無敗も途切れた。
まさかの敗戦だった。森保監督の「日本には、まだまだいい選手がいるということを見せたい」の言葉通り、重圧のかかる最終予選で初先発を9人。前節サウジアラビア戦に出場したのは、キャプテンマークを巻いたMF鎌田だけで、一昔前なら本気のメンバーで臨んでいたアジアの難敵相手に、MF俵積田ら初招集の3選手を強気に起用した。
「誰が出ても遜色ないサッカーを」。目標の「世界一」には2、3チーム分の選手層の厚さが必要なことは、監督自身が誰よりも理解していた。「より多くの選手、いい選手の中から最強のメンバーを選んでいくということをW杯に向けてやっていければ」。約1年後に迫った本大会へ、貴重な強化の場を存分に活用したが、最後に隙を見せた。
W杯出場を3月に決めたことで、今回は招集メンバーを大幅に入れ替えた。MF三笘ら「コアメンバー」の多くはシーズンの疲労を考慮して呼ばず、前回の3月から半数以上の14人も変更。初選出を7人と新戦力テストに踏み切った。それでも勝利が義務づけられる中、反対に招集していた主将のMF遠藤やGK鈴木彩は温存。主軸に頼らず、フレッシュな面々を試した。
結果、課題が浮き彫りになった。終始、敵陣には押し込んだが、昨年10月のホーム戦と同様、守り固められた最終局面を崩せなかった。決定機も、ほぼなし。ボールの奪い返しやセカンドボールの回収などチームコンセプトは共有されていたものの、主軸との力量差が明らかな90分間だった。
◆26年W杯大会方式 米国、カナダ、メキシコと史上初の3カ国共催で、出場チーム数は32から48に拡大。1次リーグは4チームずつ12組に分かれ、各組上位2チームと3位の成績上位8チームが32チームによる決勝トーナメントに進む。当初は1次リーグを3チームずつ16組に分ける予定だったが、日程の公平性などの問題が指摘され、従来の64から80に増える予定だった試合数は104と大幅に増加した。準決勝まで進んだチームはこれまでより1つ多い8試合をこなす必要がある。6月11日の開幕戦は過去2度のW杯決勝が行われたメキシコ市のアステカ競技場で、決勝は7月19日に米ニュージャージー州のメットライフ・スタジアムで行われる。